更新日:2025年4月1日
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5種混合
2024年4月以降、1期では5種混合ワクチンを用いた接種をします。
5種混合ワクチンとは、ジフテリア・百日せき・破傷風・不活化ポリオ・ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)の各ワクチンと混合したワクチンです。
予防する病気
ジフテリア
ジフテリアはジフテリア菌により発生する疾病です。その発生は最後に報告されたのが、1999年であり稀になりましたが、かつては年間8万人以上の患者が発生し、そのうち10%程度が亡くなっていた重要な病気です。
主に気道の分泌物によってうつり、喉などに感染して毒素を放出します。この毒素が心臓の筋肉や神経に作用することで、眼球や横隔膜(呼吸に必要な筋肉)などの麻痺、心不全などを来たして、重篤になる場合や亡くなってしまう場合があります。ジフテリアにかかった場合、一般に10%程度の方が亡くなってしまうといわれています。また、特に5歳以下や40歳以上の年齢の場合は重くなりやすく、最大で20%の方が亡くなってしまうといわれています。
破傷風
破傷風は、破傷風菌により発生し、かかった場合に亡くなる割合が非常に高い病気です。以前は新生児の発生もみられましたが、近年は30歳以上の成人を中心に患者が発生しています。
主に傷口に菌が入り込んで感染を起こし毒素を通して、さまざまな神経に作用します。口が開き難い、顎が疲れるといった症状に始まり、歩行や排尿・排便の障害などを経て、最後には全身の筋肉が固くなって体を弓のように反り返らせたり、息ができなくなったりし、亡くなることもあります。
百日せき
百日せきは百日咳菌によって発生します。名前のとおり激しい咳をともなう病気で、一歳以下の乳児、とくに生後6か月以下の子どもでは亡くなってしまうこともあります。
主に気道の分泌物によってうつり、咳のために乳幼児では呼吸ができなくなるために全身が青紫色になってしまうこと(チアノーゼ)やけいれんを起こすことがあります。また、窒息や肺炎などの合併症が致命的となることがあります。百日せきにかかった場合、一般に0.2%(月齢6か月以内の場合は0.6%)のお子さんが亡くなってしまうといわれています。また、肺炎になってしまうお子さんが5%程度(月齢6か月以内の場合は約12%)いるとされており、その他けいれんや脳炎を引き起こしてしまう場合もあります。
ポリオ(急性灰白髄炎)
ポリオ(急性灰白髄炎)は脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、ポリオウイルスによって発生する疾病です。名前のとおり子ども(特に5歳以下)がかかることが多く、麻痺などを起こすことのある病気です。
主に感染した人の便を介してうつり、手足の筋肉や呼吸する筋肉などに作用して麻痺を生じることがあります。永続的な後遺症を残すことがあり、特に成人では亡くなる確率も高いものとなっています。ポリオウイルスに感染した場合、弛緩性麻痺を起こす割合は1%以下とされていますが、麻痺性の急性灰白髄炎を発症した場合には、一般に2~5%のお子さんが亡くなってしまうといわれています。また、特に成人の場合は重くなりやすく、15~30%の方が亡くなってしまうといわれています。
Hib感染症
Hib感染症は、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Haemophilusinfluenzatypeb)という細菌によって発生する病気で、そのほとんどが5歳未満で発生し、特に乳幼児で発生に注意が必要です。
主に気道の分泌物により感染を起こし、症状がないまま菌を保有(保菌)して日常生活を送っている子どもも多くいます。この菌が何らかのきっかけで進展すると、肺炎、敗血症、髄膜炎、化膿性の関節炎などの重篤な疾患を引き起こすことがあり、これらを起こした方のうち3~6%が亡くなってしまうといわれています。また、特に髄膜炎の場合は、生存した子どもの20%に難聴などの後遺症を残すといわれています。
接種期間・間隔
5種混合ワクチンを用いる場合
- 初回接種:生後2~7か月に至るまでの期間を標準的な接種期間として20日以上(標準的には20~56日まで)の間隔をおいて3回接種
- 追加接種:初回接種終了後6か月以上(標準的には6~18か月まで)の間隔をおいて1回接種
4種混合ワクチンを用いる場合
- 初回接種:生後2~12か月に至るまでの期間を標準的な接種期間として20日以上(標準的には20~56日まで)の間隔をおいて3回接種
- 追加接種:初回接種終了後6か月以上(標準的には12~18か月まで)の間隔をおいて1回接種
単味のHibワクチンを用いる場合
Hibワクチン単味を用いた場合は以下のようなスケジュールで実施します。(1)が標準的なスケジュールです。なお、細かいルールなどの詳細については母子健康手帳、接種を受ける医療機関に確認してください。
(1)初回接種開始時に生後2~7か月児
- 初回接種:生後12か月までに、27日以上(標準的には27~56日まで)の間隔をおいて3回接種
- 追加接種:初回接種が終わった後、最後の接種から7か月以上(標準的には7~13か月まで)の間隔をおいて1回接種
(2)初回接種開始時に生後7~12か月児
- 初回接種:生後12か月までに、27日以上(標準的には27~56日まで)の間隔をおいて2回接種
- 追加接種:初回接種が終わった後、最後の接種から7か月以上(標準的には7~13か月まで)の間隔をおいて1回接種
(3)初回接種開始時に1~5歳児
- 1回接種
副反応
副反応として発熱、注射した部分の発赤・硬結(しこり)・腫れなどの局所反応が見られます。
接種後、高熱・おう吐・けいれん・その他異常な症状があった場合は、速やかに医師の診察を受けてください。
実施医療機関
- コチラをご覧ください。