犯罪被害者などの人権

ある日、突然事故や犯罪にまきこまれ、幸せを奪われた人たちがいます。犯罪被害者やその家族たちです。犯罪に遭うことにより精神的、経済的負担を強いられるだけでなく、マスメディアによる過剰な報道や心無いうわさ・中傷などが、本人だけでなく、家族や親戚の平穏な私生活を侵害し、二次的な被害に苦しむこともあります。

日常を取り戻すためには時間が必要です。被害に遭った後は、人目が怖くて外出ができなかったり、家庭内で事件のことが話せず、家族関係がうまくいかなくなることもあります。また、職場でも被害者が回復するまで仕事上の負担を軽減したり、通院や裁判への出廷のため休暇を取ることができるなど、安心して働き続ける環境をつくることが大切です。

毎日起こる事故や犯罪で誰もがその被害者になり得る可能性があります。犯罪被害者の人たちが穏やかな生活を取り戻すまで、周囲の人は、親身になって話を聞いたり、家事・育児を手伝うなどの思いやりやサポートが重要になります。「あなたは悪くない」の一言で救われることもあります。犯罪被害者やその家族の方々の気持ちに寄り添い、あたたかく支援していくことが大切です。