更新日:2024年8月16日
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その他の人権問題
●災害時の人権問題
◇全国で大規模な震災や水害が発生しています。被災地では特別な支援を必要とする高齢者や障がい者、外国人、妊産婦、乳幼児等への配慮が求められています。
◇避難所で特に女性や子どもの安全・安心が確保できない問題があります。
・男女別のトイレや女性用更衣室や洗濯干し場、授乳室など母子のスペースがない。
・食事の準備や清掃、復旧作業などの固定的性別役割分担意識が見られる。
・性犯罪の危険性
・被災地への様々な風評被害や思い込みによる偏見や嫌がらせ、子どもへのいじめ。
◇災害時にも人権意識を持って行動できるよう、弱者への配慮や差別の防止についても自分のこととして捉えて行動できるよう日頃から人権についての理解を深めましょう。
●刑を終えて出所した人の人権
◇刑を終えて出所した人やその家族についての偏見や差別は根強く、就労に際しての差別や住居等の確保の困難、個人情報をSNSなどで拡散されるなど、社会復帰が極めて厳しい状況にあります。
◇出所後、適切な支援を受けられないまま再び罪を犯す人もいます。
◇罪を償って地域社会に戻ってきた時に、社会の一員として円滑な生活を営むことができるためには、本人の意思とともに、家族、職場、地域社会など周囲の理解と協力が必要です。
◇自立を支援するための「保護司会」・犯罪・非行をした人を雇用し、立ち直りを助ける「協力雇用主会」などの機関があります。
●生活困窮者
◇不景気のあおりを受け、雇用環境の悪化や所得の低下などにより経済的困窮に陥る人が増え続けています。
◇生活困窮世帯で育つ子供の多くは就学や進学、就職に困難を抱え、それによって貧困が世代間で連鎖することがあります。
◇子どもが家族の面倒を見なければならない状況にある
『ヤングケアラー』など深刻な課題があります。
◇ホームレスに対する嫌がらせや集団暴行があります。
◇誰にも相談できず悩みを抱えたまま苦しんでいる人を、周囲の人達が早期発見し、関連機関へ繋げていく必要があります。
●人身取引
◇人身取引は、性的搾取や強制労働を目的として行われる重大な犯罪であり、深刻な人権侵害です。
◇被害者に深刻な精神的・肉体的苦痛をもたらし、その回復は非常に困難です。
◇日本における人身取引は、主に売春・風俗、児童ポルノ、アダルトビデオ出演強制などの性的搾取が目的と言われています。
◇海外出身の日本滞在者が劣悪な条件で労働をさせられることも起きており、日本は人身取引の受入国にならないよう厳しい対策が求められています。
●アイヌの人々に対する差別
◇アイヌの人々は、固有の言語や伝統的な儀式・催事、多くの口承文学(ユーカラ)等、独自の豊かな文化をもっています。
◇近世以降のいわゆる同化政策等で、その文化が抑圧されたことにより、十分な保存・伝承が図られず、様々な偏見や差別を受けました。
◇アイヌの人々が先住民族として民族の誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現に向け理解を深めましょう。
● 複合的な人権問題
◇「高齢の外国人」や「障害のある子ども」などのように人は複数の属性を
持っていることで、差別や偏見を重複して受けることがあります。
◇性別は誰にとっても関りがある属性で、特に女性は、障がいがあることや
高齢者、子供であること等、様々な属性が加わることで、より複合的で困難な状況に直面しやすくなります。
◇様々な人権問題には「女性の人権問題」という横ぐしを通し、横断的に考え、問題解決を図ることが大切です。
違いを認め合い、差別や暴力のない未来を
世界では、いまだ戦争や民族紛争、迫害等の深刻な人権侵害が存在し、世界中で
人権を侵害され、命の危機にさらされている人がいます。
誰一人として人権を侵害され、平和な日常を奪われることがないよう、人権が尊重
され、あらゆる差別や偏見のない社会の実現に向け、多様性を認め合い、すべての
人の人権が保障される社会を目指しましょう。