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更新日:2017年4月6日

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平成29年度の姶良市施政方針(原文のまま)

平成29年第1回市議会定例会の開会に当たりまして、29年度の市政運営の基本方針、主要施策の概要、予算の基本方針、予算の概要や提案理由につきまして御説明申し上げます。

1政運営の基本方針

ARIA(アリア)」、これは、先ごろ命名された小惑星「Airashi(アイラシ)」の愛称です。

この「ARIA(アリア)」とは、市内小学校2年生の児童が考案したもので、英語文字「AIRA(アイラ)」を逆さに読むことを思いつき、読んでみると「アリアという音楽を奏でそうで『すてきな言葉』になった」ということであります。

アリアという言葉は、星の愛称として考えられたものが、天文学とは異なる分野の音楽との関連も導き出し、ギリシャ神話も連想させ、私たちと星空を繋ぐ格好のキーワードにもなっていると考えたところであります。

AIRA(アイラ)」の言葉を逆さから読むといった独創的な発想が、私たちに潜在する文化的創造欲を掻き立ててくれたと考えております。

このように新しい言葉を生んだことは、経営学でいうところの新しい発想で新たなものを生み出す、まさにイノベーションであると考えております。

この経営学的な考え方は、姶良市誕生以降の行政運営のあり方にも当てはめて説明することができると考えております。

 

「創業時に必要なものは、創業者のビジョンとリーダーシップであり、事業が安定してくると計画性・戦略性を重んじることとなる」というのは、経営学者の入山栄(いりやまきえ)氏の弁であります。

この言葉のとおり、姶良市の誕生からこれまでを、企業でいうところの操業開始から経営が安定するまでの創成期の内ととらえ、経営理念を「県内一くらしやすいまちづくり」として市民の暮らしに寄り添うことを念頭にリーダーシップをもって、合併後の7年間を取り組んでまいりました。

町(ちょう)」とは異なる「市」として自律と創造性を備えた行政主体が、前例や公式の無い中で施策の具現化を進めるためには、「まずはやってみる」ということで道は開かれるとして、計画政策の手法は保ちつつ実践第一主義で取り組んでまいりました。

このような中、一昨年、司馬遼太郎の没後20年を機に「この国のかたち」というタイトルの書籍が話題になりました。これは、日本の政治的な成り立ちから、これまでに醸成されてきた「日本人のこころ」についても解説しています。

「この国のかたち」を見ながら、我が姶良市の「この『まち』のかたち」がどのように形づくられて来たかを省みる機会ともなりましたので、施策の方向性を述べる前に少し振り返ってみたところであります。

本市の地域は、これまで国道10号やJR日豊本線、九州縦貫自動車道などの交通網が充実していることから、非常に便利なまちとして多くの人が移り住むまちでもありました。

しかし、交通網が充実するにつれ、素通りするまちとして揶揄されることもあり、合併前は人口が減る気配を見せていたことから、交流人口の増加を図るべきとの声が高まりつつありました。

これに対して新市誕生とともに、姶良市周遊観光バス「あいらびゅー号」の運行などを機会に、姶良市は立ち寄るのに価値があるとの評価が広がり、ついては訪れてみようという機運が高まりつつあります。

特に1人ないし、2・3人づれの少人数で訪れるには最高の癒しの空間としての位置付けを高めつつあります。

これも、山・川・海といった自然に恵まれた「まち」であることや県内一の人口を有する県都鹿児島市に隣接する立地特性が、プラスの効果をもたらし始めた結果であると考えております。

そして、これらの流れに併せて、合併直後に子ども医療費助成の小学生までの対象拡大や人の集まりやすい場所に親子つどいの広場などを設置し、また少子高齢化の影響を受け、弱体化する自治会を活性化するために新たなコミュニティとして校区コミュニティ協議会の設置も進めてまいりました。

特に、校区コミュニティ協議会の設置は、コミュニティのあり方について再度市民自らが考える機会をもたらし、熟議民主主義を体現する「市民参加型の社会づくり」に資するものになったと考えております。

このように、子育てや市民参加型の社会づくりを進めることにより、子育て世代の不安軽減や定年退職者などの生きがいづくり、NPOなどの活動機会を提供するといったことにもつながり、結果として活性化するまちとしてのイメージを高めることになりました。

さらに、このまちで子どもを育ててみたいという思いが育まれた証として、新市誕生当時は中高年者の転入が多かったものが、今日では子育て世代の転入が多くなるといった状況へ変化してきております。

また、長く遊休地になっていた土地開発公社用地を譲渡ではなく、賃貸するといった手法を採ったことは、大規模商業施設進出の企業判断を後押しすることとなり、期待にたがわずこれらの施設が「まち」のランドマークとして、まちづくりの基点となってくると考えております。

このような中、折しも国内の人口減少の推計が発表されたことを受け、国全体の人口増加と地方の活性化の施策を進めるべく、国のまち・ひと・しごと総合戦略が策定されました。これに呼応して、本市でも人口ビジョンと総合戦略を策定し、4つの基本目標を掲げました。

この基本目標は、姶良市第1次総合計画の後期戦略プロジェクトが平成27年度から発効することに伴い、施策の方向性を「地域力の強化」、「子育て支援の強化」、「都市計画に基づくまちづくり」、「農業生産体制の強化と新たな産業として六次産業化の推進」、「人口移動の活性化」、「民間の経営感覚を持ち、事業目的の「意図」を自覚した行政運営」として6項目をお示ししましたので、それらとの整合性を図り、施策推進の中断が起こらないように工夫をしたところであります。

姶良市まち・ひと・しごと総合戦略では「働くならあいら」、「訪れるならあいら」、「子育てならあいら」、「住むならあいら」といったキャッチフレーズを使い、意図するところが分かりやすく伝わるようなものとしました。

そして、共通して使用した「なら」の言葉は、「なり」と言う『断定』を意味する言葉の未然形であり、「雇用」、「交流人口」、「子育て」、「人口増加」の施策を推進することへの強い意志と、これから「あいらのまち」に関わりたいとする思いを秘めた人々へのメッセージとして掲げたものでありました。

このように、第1次総合計画を支えるイデオロギーを「発展志向」とし、人口8万人を目指す、県内一くらしやすいまちづくりを進めてきたことは、姶良市に住む人々に希望をもたらし、老いも若きもこれからの人生に可能性を見出せる「まち」として成長しつつあると考えております。

私の2期目の中で特に平成27年度・28年度は、懸案となっておりました子ども医療費助成の拡充や災害対応の拠点の一つとなる消防施設の整備、あいら斎場の施設整備など目に見える施策を進めつつも、次なるステップアップのため総合計画の具現化策を模索してきたところであります。

それらの施策の理念として掲げておりますのが、「質の高い居住空間」の創出であります。

この「質の高い居住空間」の「質」とは、「もの」と「こころ」に分かつことができると考えております。

「もの」は、自然環境を維持・保全することとユニバーサルデザインに満ちた人にやさしい立体空間の創成であります。そして、「こころ」は、くらしの中に配慮に満ちた倫理感があり、市民のみなさん、一人一人が心の健康を保ちながら社会性豊かなくらしを送り、自らも生きる意味を見出していけるような空間の創出であります。

平成29年度はそれらを昇華させるべく方向性として、『もの』と『心』のクオリティを高めるための8つの施策を定めたところであります。

健康と希望といきがいに満ちたまちづくり

その1つ目は、健康で希望といきがいに満ちたまちづくりであります。

かつて、ドイツの哲学者ニーチェは、「生きることに内容、つまり理由がある人は、ほとんどどのような状態にも耐えることができる」と言い、そして、それを心理学者フランクルは、「生きる理由というのは生活内容つまり生きがいのことであり、状態というのは生活状況のことです」と解説しています。

人は、生きがいのために行動するときこそ、最も幸せを感じるときであり、身体に不調があっても耐えうるものと考えております。

しかしながら、身体が健康な状態であることへの思いは万民共通であります。この健康も医療技術の進歩により、病気などのメカニズムが明らかとなるにつれ、自らの心がけだけでなく医療機関などの社会的システムと連携したり、人と人とが交流する中で健康志向を高めていく新たな流れが模索されつつあります。

健康を保つことは個人だけの取組から、地域や社会全体で健康寿命を伸ばすための策を実践していくことが重要であると考えております。

また、介護保険でも同様に、軽度な介護サービスを必要とする人たちの状況に応じて地域の中に通いの場を構築し、顔見知りの人たちとともに安心して体調改善などが図れる環境を構築していく必要があると考えているところであります。

地域力の強化

2つ目は地域力の強化であります。

地域力を高めるためには、地域を支える人づくりが重要でありますが、その育成は校区コミュニティ協議会やNPOなどの活動に参加し、社会に役立つ活動を実践してもらうことであると考えております。

これらの促進には、地域の人々が集い、話し合うことで自分の役割を見出していくことが重要であります。

そのような中、中山間地域につきましては、活動環境から整備することが喫緊の課題であると考えております。

この地域は、既存の施設を活用するなどの方法が無いため、人が集い、語らう場が無い状況であり、今般始まっておりますサロンなども実施できない地域もあります。

地域力は、自治をもって育まれることを考えておりますが、資源が脆弱な部分は支援が必要であります。そして、そのことに併せて地域活性化の源でもある小学校の存続も図っていく必要があると考えております。

小学校区を本市にとって地域づくりや都市計画を描く上でも重要な要素として位置づけていることから、児童数の確保などの施策を講じていく必要があると考えております。

子育て支援

3つ目は、子育て支援であります。

これまで、子育て世代全体を見通した施策を進めてまいりましたが、今後はこれらと併せて、子育てコンシェルジュを配置するなど多様な子育てにきめ細かな支援を進めるとともに、子育てへの不安感へ寄り添いながら、新たな施策へ繋げていく必要があります。

特に、核家族化の中での出産を支援する一環として産後ケアの機会を増やすことで産後の不安感を軽減するなどの支援を軌道に乗せていきたいと考えております。

農林水産業の生産力の向上

4つ目は、農林水産業の生産力の向上であります。

これは、農家の技術力と経営力の向上、そして、それを稼ぐ力へ繋いでいくということであります。これには、農林水産物に付加価値を持たせ収益性を高めるため六次産業化を進め、加工品などの開発と販路を確保することが不可欠であり、農家の新たな知識と技術の習得も重要であると考えております。

そのため、これに併せて今後は農家と商工業者が工夫しあい、新たなビジネスモデルを構築していくなど農商工連携も並行して進める必要があると考えております。

次に、農林業では、鳥獣の食害などによる被害が広範に渡り、農業者のみならず自家消費用の野菜栽培が困難となり、地域の存続すら危ぶまれる状況であります。そのため、被害をもたらす鳥獣に対する動物保護への配慮と駆除の視点をもったきめ細かな対応をすべく対策の再構築を図ってまいりたいと考えております。

コンパクト化とネットワークによるまちづくり

5つ目は、コンパクト化とネットワークによるまちづくりであります。

「都市のコンパクト化」は、単に大を小に整理するといった認識ではなく、人の移動や経済活動の活性化など市民生活を十分考慮した上で進められるとともに、本市では蒲生、姶良、加治木の旧町の市街地がそれぞれ独立して発展するのではなく、現状として市街地の範囲がつながり連続性が構築されつつあることも念頭に置き、発展と拡散を見極めながら進める必要があると考えております。

そのため、現在の小学校区を一団とした新たなコミュニティとして形成したことによりこれを一つの集積地として捉え、それらを結ぶ道路網や交通網を構築していくことが本市の特徴になると考えております。

また、農地の宅地化が進んだ結果、近年の局地的集中豪雨により短時間で住宅地が冠水する事態が多発しつつあります。これらの対策を講じるべく、現状把握を速やかに進め、雨水排水網の構築を図る必要があると考えております。

人口移動の活性化

6つ目は、人口移動の活性化であります。

これは、人口増加と交流人口の増加についてであります。

まず、人口増加の施策でありますが、これまでの企業誘致は、市民に働く場を提供することや昼間人口を増やすことなどを大きな目的として取り組んでまいりました。しかし、今後は企業立地と同時に、既存の従業員の方々も本市へ移り住んでいただくように誘導する施策を進める必要があると考えております。

また、中山間地域の過疎化が進行し、社会生活が成り立たなくなるおそれがある地域には、定住促進のために移住者に補助することで定住を後押しし、併せて地域活性化の源泉である小学校を存続させ、子ども達の声がこだまする地域を守って行かなければならないと考えております。

そこで、施策効果が表れやすい子どもの居住を条件とする市営住宅などの整備も進めるとともに、蒲生地区では民間による住宅地開発が進まないことから市土地開発公社を活用し、宅地の分譲などを行い、定住を促進していきたいと考えております。

次に、交流人口の増加につきましては、観光施策としてこれまで市内の名所、旧跡の保存を念頭に整備し、駐車場やトイレなどの付帯施設を新設するなど観光環境を充実させてまいりました。

今後は、空き家などを活用しながら観光情報の発信拠点を地域の方々とも協働で整備することや、外国人のニーズでもあるスマートフォンなどSNS機器の使用が容易になるようワイファイアンテナの設置、多国語音声ガイド機の導入など多様な観光客のニーズに対応できるように公共交通機関なども織り込んだ観光ルートの開発などを進めていきたいと考えております。

懸案事項でありました中央弓道場の整備や要望の多いサッカーコートの整備について基本設計などを策定し、早期に着手できるよう進めていきたいと考えております。

これにより、競技指導者を招聘(へい)し、多くの人を一堂に集めた練習会などが開催でき、青少年の競技力向上に繋がるものと考えております。

また、市外、県外から人を呼び込める素地ができていくと考えており、現在整備が進む新たなホテルの利用も含め、本市に滞在していただける機会づくりが進むと考えております。

商工業の創成と再生

7つ目は、商工業の創成と再生であります。

近年の商業のあり方を唱える声は、低価格競争ではなく、価格を下げずに差別化を図ることで収益を確保することを推奨するものであります。

これに対して、資本力の大きな事業者は、消費者ニーズをいち早く捉え、出店のあり方を変更し、臨機応変な対応が容易にできるシステムを構築します。

ところが、既存の商店街は地域固定型の事業であればこその問題点や課題が内在していることから、これらの対応が容易でありません。

このことは、商店街やその周辺から「人通り」を遠ざけることとなり、地域の活性化へも影響を与えてきております。

とはいえ、商店街は市民へ消費財を提供するだけでなく、地域のリーダー達が住む地域でもあります。この商店街を衰退させることは、地域活性化の拠点を失うことであり、ひいては市民のくらしの場の足掛かりを失うこととなります。

そのため、商店街の活性化策とともに商店街の抱える世代交代の問題などと事業再生、そして小規模事業者による事業創成などの施策を進めていくことが重要であります。

また、消費者ニーズの変化に対応するためには、個別ではなく関係する人々が連携して取り組むシステムとして、農商工連携などの取組により新商品開発なども進めていかなければならないと考えております。

まちのネットワーク化を支える公共交通の活性化

8つ目は、まちのネットワーク化を支える公共交通の活性化であります。

本市の公共交通網のあり方につきましては、小学校区内に拠点を設け、蒲生、姶良、加治木の3地区にハブ拠点、さらに市役所本庁舎付近に拠点を設け公共交通で結び、運行内容も乗車時間の短縮、乗降の自由などの改善を図る必要があると考えております。

料金設定も利用者ファーストで、そのあり方を改善する必要があると考えております。

また、タクシーも観光客への対応も含め、活用のあり方をコミュニティも交えて工夫していく必要があると考えております。

市民の移動手段の多くを占めるのが自家用車であり、それは、移動の自由とくらしに活力をもたらします。

しかし、自家用車の交通事故による生命の危険や駐車スペース確保など、くらしの便利さの裏側で人命や経済にリスクや不合理をもたらしています。

この状況を転換する受け皿として、公共交通は存在すると考えております。利用する人、利用しようとする人に信頼されるものとなるように市民全体で、このシステムを維持、発展させていかなければならないと考えております。

まちづくりの更なるステップアップへ

以上のような8策と国の交付金の導入も可能な「姶良市まち・ひと・しごと総合戦略」を連動させ、各種施策を具現化すべく、助動詞の「なら」を「なり」と終止形に活用させていくことが、戦略的施策の継続性を高め、まちづくりの更なるステップアップへとつながると考えているところであります。

また、これらの施策を進める上で拠点となる市の行政庁舎についてでありますが、これまで行政事務のための施設として、また、まちのシンボルとして考えられておりました。

しかし、近年発生した大規模な地震や津波などの自然災害などの発生時に、市民を守る拠点として機能できていないことや、市民の緊急の避難所としての機能も兼ね備えていなければならないことも分かってきました。

このように現実とニーズを踏まえ、これまでとは違う考え方に立たなければ、「木に縁(よ)りて魚(うお)を求む」のことわざのごとく、新しい建物の価値を下げてしまうことにもなりかねません。

そのため、過去の事象に学びながら出た結論としましては、市民に開かれた災害に強い複合施設の整備が喫緊の課題であると考えているところであります。

合併時に策定されました新市まちづくり計画や第1次総合計画に描かれた未来像は、旧3町の状況を踏まえて創造されたものであります。

この未来像も新しい「まち」姶良市の今の状況を基礎に、これまでとは少しずつ変化したものとなり、今年度から本格的に策定作業が始まる第2次総合計画などの次なる計画の中で全体像を明らかにしていかなければならないと考えております。

そして、これらの計画をさらに質の高いものとするためには行政だけでなく、社会を構築するあらゆる分野にある人々の創造的で独創的な考え方が創成期の後半に差し掛かりつつある姶良市の「まち」の新たな価値を創造していくものと考えております。

そのため、校区コミュニティ協議会で策定される校区振興計画や若者議会などの各層からの意見、政策提言が施策に生かされるようなシステムづくりが必要であり、これによりいろいろな世代の政治参加も活発化することと考えております。

その先には、構想の域にあった「もの」が形として現れ、「こころ」も言語化することで、目に見えるものとなり、質の高い「この国のかたち」ならぬ「このまちのかたち」が見えてくるものと考えているところであります。

2要施策の概要

本市は、第1次総合計画で「県央の良さを活かした、県内一くらしやすいまちづくり」を基本理念に掲げ施策を推進し、さらに姶良市総合戦略により施策の強化を図っております。

また、平成29年度から鹿児島市・姶良市・日置市・いちき串木野市を構成市とした「かごしま連携中枢都市圏」に係る広域的な連携事業についても推進してまいります。

それでは、平成29年度における主要施策につきまして、新たな施策を中心に、第1次総合計画の8つの分野ごとにその概要を申し上げます。

第1「市民・地域と行政が協力しあい、一体感あふれるまち」

第1に「市民・地域と行政が協力しあい、一体感あふれるまち」についてであります。

私は、自治については、行政による自治と地域住民の方々による住民自治があり、それらが連動することが共生協働のまちづくり・地域づくりに不可欠であると考えております。

その中心的役割を担うのが、自治会や地域の関係団体、そしてNPOなどにより組織された校区コミュニティ協議会であると考えております。

現在、全17校区のコミュニティ協議会で校区振興計画を策定していただいているところであり、市としましてはソフト・ハードの両面から財政的支援、人的支援、情報支援を行い、人材育成に努めてまいります。

特に、人的支援につきましては、校区担当職員やコミュニティ事務補助員を配置しますが、今後、さらに地域づくりがスムーズに進むように、組織の運営や地域課題の解決などに向けて、情報提供などはもとより相談や助言なども行う要員を希望する校区に配置する人的支援の構築も検討してまいります。

ハード面の整備につきましては、「生活基盤整備推進事業」としまして、住民の方々の意見がより反映されるような仕組みづくりに努めてまいります。

平成29年度は、中山間地域の人口増や地域の活性化を図るためにふるさと移住定住促進事業を創成し、市内外から中山間地域に移住定住される方々に対し、住宅取得に対する助成、借家の家賃補助、引越し費用の助成、小学生以下の子どもに対する補助を行ってまいります。

空き家対策につきましては、空き家対策事業で危険住宅などである特定空家などの解消に向けた対策として解体費用の助成を行うとともに、平成28年度に策定いたしました特定空家など対策計画に基づき、法的措置に向けた作業を進めることとします。

また、空き家利活用の視点から空き家リフォーム支援事業で空き家の改修費用の助成を行い、空き家解消を図ることとします。

さらに、大山地区や雛場地区をはじめとした中山間地域におきましては、地域活性化のための交流施設や避難所などを兼ね備えた複合施設の整備について、安全な場所の選定、活性化案、管理方法などを地域の方々と協議し、検討していく考えであります。

男女共同参画事業におきましては、誰もが性別を問わず、責任を分かち合い、その個性と能力を十分に発揮することのできる男女共同参画社会の形成のため、男女共同参画基本計画に基づき、その取組を進めてまいります。

DV被害者に女性が多いことから、女性相談支援事業により女性相談専門員の研修などを強化し、安心して相談し易い環境や支援の強化を図ってまいります。

第2「子どもを安心して生み育てることができる、子育て支援のまち」

第2に「子どもを安心して生み育てることができる、子育て支援のまち」についてであります。

結婚・妊娠・出産・子育ての希望を実現することを基本目標として、それを達成するため、事業所や民間団体にも協力をいただきながら施策を展開しているところであります。

妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を行うために、各種母子保健事業や子育て支援事業を実施するとともに、関係機関との連携に努めてまいります。

病児病後児保育事業では、就労などにより保護者が看ることが困難である病気の子どもを一時的に保育する病児保育を支援してまいります。

出産後に体調不良などにより産後ケアが必要な母子へ支援を行う妊娠出産包括支援事業は、平成28年度までは鹿児島市内の助産院に宿泊しての対応のみでありましたが、29年度からは新たに通所での利用や本市の複数の産婦人科医療機関でも対応可能となることから、安心感や利用し易さが増すのではないかと考えております。

総合的な子育ての相談に対応するため、今春、開業予定のイオンタウン東街区で、相談員である「子育てコンシェルジュ」を配置して支援を行ってまいります。

子育て期では、保育園などの待機児童の解消を図るとともに、延長保育促進事業、一時保育促進事業、地域子育て支援センター事業、放課後児童健全育成事業などを実施し、多様な子育て支援を行ってまいります。

医療的な支援としましては、子ども医療費助成事業で乳幼児から中学生までの医療費を助成し、また、不妊治療費助成事業で不妊治療を受ける夫婦に対して不妊治療費の一部を助成してまいります。

結婚に関する支援としましては、本市内の婚活支援団体や県と連携しながら、独身者の出会いの場を創出しますが、平成29年度の新規事業として「結婚新生活支援事業」を創成し、新婚世帯の合計所得が一定額以下の世帯に対して住宅取得費、家賃や引越し費用の助成を行うこととします。

第3「豊かな人間性を育むまち」

第3に「豊かな人間性を育むまち」についてであります。

市教育振興基本計画や子育て基本条例に基づき、学校・家庭・地域・事業所が一体となって「子どもの自立をめざし、社会全体の協働による人づくり」に取り組んでまいります。

スーパーサイエンス総合推進事業などにより、児童生徒の科学への関心や興味を高め、理数・外国語教育推進事業で理科数学の学力向上や外国語教育の充実を図り、また学力向上アクションプラン推進事業により小・中学校連携による中学校区をブロックとした学力向上プランを作成して、更なる学力向上を図ってまいります。

あいら未来特使団事業におきましては、多様な体験活動や現地視察研修など、日頃の学校・家庭・地域の活動では得ることのできない体験活動を通じて、仲間づくりや人間形成を図りながら、本市の将来を担う青少年の育成を目指すため、小・中・高校生を対象として結成した特使団を平成29年度はニュージーランドへ派遣します。

地域が育むキャリア教育推進事業により、自らの生き方を選択し、実現させていくキャリア教育やモラリティ・インプルーブメント事業により道徳の充実を図ってまいります。

スクールガード・リーダー事業により児童生徒の安全確保のため警察官OBなどからなるスクールガード・リーダーが通学路や学校内外の定期的な巡回を行い、学校安全体制の充実に努めてまいります。

いじめ、不登校、児童虐待などの児童生徒の問題行動などにつきましては、スクールソーシャルワーカー配置事業、スクーリング・サポート推進事業、スクールカウンセラー配置事業、スクランブルカウンセリング事業、いじめ問題対策事業などにより、学校、各種行政機関、専門的な職員、警察などと連携し、効果的な支援や適切な対応に努めてまいります。

県内のサッカー審判員の講習や学生などのトップ選手の研修などに利用されるフットボールセンターの建設にあたっては、本市が県央の地にあることからその役割を担うのにふさわしいと考え、今回、姶良総合運動公園内の施設の整備改修を行うこととします。

スポーツイベントとしましては、2020年のかごしま国体で本市でもバスケットボール、女子ゴルフ、ライフル射撃などの競技が開催されることになっております。

市にとりましては、全国の一流選手のプレーを間近で見られる良い機会であるとともに、市外から来られる方々へ、おもてなしの心により本市をPRする良い機会であることから、組織体制なども強化しながら開催準備を進めてまいります。

2年後に本番を迎える島津義弘公顕彰事業につきましては、姶良市、日置市、湧水町、えびの市で構成する三州同盟会議での連携を図りながら、PR活動や機運の醸成を図ってまいります。

歴史を生かした多彩な文化の育成のため本市内の文化財の調査・発掘・保護を行っておりますが、その中で日本一を誇り、国の特別天然記念物に指定されている「蒲生のクス」につきましては、蒲生のクス保護増殖事業により保護体制を整備し、樹幹補修や土壌改良などを行い、継続的な樹勢の維持に努めてまいります。

また、市制施行記念事業に向けて、姶良市誌・史料集刊行事業で「別巻3」として「資料編、郷土の新聞」を刊行し、過去発刊された新聞記事を整理、掲載することで過去の災害や行事などを今の時代に明らかにしていこうとしているところであります。

第4「生涯すこやかで、ともに支えあい、いきいきと暮らせるまち」

第4に「生涯すこやかで、ともに支えあい、いきいきと暮らせるまち」についてであります。

高齢者や障がい者の方々が暮らしやすい環境づくりを推進するとともに、高齢者にあっては脳年齢や血管年齢などで計れるような健康年齢を若く保ち、生きがいを持って元気で生活ができるような健康づくりを推進してまいります。

健康増進事業におきまして、検診メニューや内容などを充実させることにより疾病や生活習慣病の早期発見に努め、また市民が生涯を通じて、自ら主体的に健康づくりを行い、疾病予防に取り組めるよう健康相談、健康教室、訪問指導などを実施し、健康に対する意識の向上も図ってまいります。

市民自らが「自分の健康は自分でつくり守る」という意識を広め、地域に根ざした健康づくりを推進するために、健康づくりコーディネーターを配置し、健康づくりに関する情報の普及・啓発に努めてまいります。

誰もが安心して生活することができる地域福祉の実現のためには、互いに支えあう地域福祉を推進する必要があり、地域福祉計画に基づき、市民、行政、福祉関係事務所、福祉団体などの協働により地域福祉の向上を図ってまいります。

経済的に困窮している方々には、生活困窮者自立支援制度に基づき自立相談支援事業、就労準備支援事業、一時生活支援事業、家計相談支援事業、住宅確保給付金などにより、様々な相談や支援を行い自立した生活の支援を行っております。

平成29年度から開始する「子どもの学習支援事業」におきましては、経済的理由などにより学習や進学の意欲が低下し、十分な教育が受けられないことが無いよう学習支援を行うとともに、仲間と出会い、日常的な生活や活動ができる居場所の提供を行います。

本年4月から実施する介護予防のための新しい事業「介護予防・日常生活支援総合事業」では、65歳以上の方を対象として、これまでと同様のサービスに加え、多様な担い手による介護予防や生活支援のサービスを提供します。

新たな介護予防としましては、住民主体の運営による体操などの介護予防を考えており、その活動を支援するため社会福祉法人、医療法人、NPO法人などに業務を委託し、地域の中における住民主体の運営による通いの場を展開することに取り組んでまいります。

この通いの場は、自助・互助・共助・公助の考え方に基づき運営され、自宅で生活しておられる65歳以上の全ての住民を利用対象とし、地域づくりと介護予防を推進してまいります。

第5「快適で暮らしやすいまち」

第5に「快適で暮らしやすいまち」についてであります。

都市計画マスタープランに基づき、都市化への適正な誘導を促しつつ、快適で暮らしやすいまちづくりを目指して、施策を展開しているところであり、現在、大規模な整備としてスマートインターチェンジの建設、木田橋の架け替え、宇都トンネル建設などを推進します。

本市は、国道10号やJR日豊本線に沿った海岸部に人口が密集し、急激に都市化が進み、人口が増加し、活性化が図られているものの、一方で当該地域のインフラ整備や中山間地域の人口増や活性化が求められています。

そのような中山間地域の中でも、北山地区や永原地区のように学校の存続が地域の活性化に大きく影響するところにつきましては、中山間地域施設整備事業で計画的に子育て世帯を対象とした定住促進住宅を建設し、移住定住の促進を図ってまいります。

市の中心部にある病院や公共施設、大型商業施設などを利用しやすくし、市民の満足度を高く保つようなまちづくりを構築していくためには、多極ネットワーク型コンパクトシティの考えが必要であると考えており、公共交通網形成計画や立地適正化計画を作成し、まちづくりを推進してまいります。

高齢者や障がい者の方々などへのやさしいまちづくりのために、歩道の段差解消や公共施設のユニバーサルデザイン化、バリアフリー化を推進しますが、その中で1日の乗降者数が3,000人を超えるJR加治木駅のバリアフリー化につきましては、JR九州と連携して平成29年度に設計を、30年度に工事を行ってまいります。

排水路対策につきましては、河川の上流域から海に繋がる下流域まで抜本的、総合的に整備を図る必要があるため、排水路整備事業で平成29年度から調査を開始し、計画を立てて整備することにします。

また、身近にある4メートル未満の狭い道路などにつきましては、平成29年度から実施する「狭あい道路整備など促進事業」で、車両交通や歩行者の安全性、市民の利便性を図るため、道路などの改修を計画的に進めてまいります。

姶良市総合運動公園におきましては、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層の方々が親しみやすく、また多機能で多目的な運動公園となるよう整備を行っておりますが、平成29年度は課題となっておりました、子ども広場の移設や新たな駐車場の整備を行ってまいります。

今春、イオンタウン姶良東街区内に開局する「あいらびゅーFM」におきましては、地域に密着した情報だけでなく、台風・地震などの防災・災害情報などの提供も行ってまいります。

また、防災面につきましては、災害時における住民への主たる情報伝達手段としての防災行政無線のデジタル化を計画的に実施し、無線統合を図り、住民への迅速かつ正確な情報伝達を図ってまいります。

近年、日本各地で集中豪雨や地震などの災害の発生が増加しているため、本市の消防職員が他の都道府県の災害現場へ緊急に応援に行く必要がある場合を想定して、「緊急消防援助隊出動事業」で対応できるようにします。

第6「地域資源を活かした活力ある産業の育つまち」

第6に「地域資源を活かした活力ある産業の育つまち」についてであります。

本市には、まだ十分に活かされていない資源や組合せなどにより活用できる資源も多数あると考えておりますので、これまでの農林水産物などの六次産業化だけではなく、農商工連携による商品のブランド化も推進してまいります。

イノシシなどの鳥獣による農作物被害を軽減するための追い払い活動や電気柵設置に対する支援を行う鳥獣被害防止対策事業と捕獲に補助を行う有害鳥獣捕獲事業につきましては、平成29年度から窓口を一本化し、農政課で総合的な対策を図ってまいります。

商工業の振興策としましては、地域経済発展のために商店街活性化事業補助金、商工会育成補助金、商工業育成補給補助金などで継続的に支援を行ってまいります。

さらに、本市は、大型商業施設などの進出により人の流れなどの変化が見られるため、市内の商工業者景況調査を行い、課題やニーズを把握し、商工業の活性化に繋がる施策の方向性を探ってまいります。

また、平成29年度は産業フェスタ実施事業により、イオンタウン姶良の敷地内で商工業者と農林漁業者が連携したイベントを開催し、それぞれの商品や農・林・畜・水産物を広く紹介・販売するとともに、本市のPRや交流人口の増加を図ります。

本市は県内で一番史跡の多い市であることから、その史跡の持つ歴史的価値や雰囲気を損なうことなく、史跡の整備、看板などの設置、観光ルートの整備やIOT技術なども活用したPR活動を行い、市の活性化や産業としての観光振興を目指してまいります。

くすの湯整備事業につきましては、平成28年度中に掘削作業を終える予定でおりますので、29年度中に建物などのリニューアル工事を終了し、地域の方々の交流の場や蒲生地域の観光の拠点となるよう30年春のリニューアルオープンを目指して整備を進めてまいります。

龍門滝温泉整備事業につきましては、施設が老朽化しているため、平成29年度に施設全体の調査を行い、活性化案や整備案を作成することとします。

第7「環境にやさしく、豊かな自然と共生・調和するまち」

第7に「環境にやさしく、豊かな自然と共生・調和するまち」についてであります。

環境基本計画や地球温暖化対策実行計画に基づき、関係機関などとも連携しながら生活環境や自然環境の保全を図ってまいります。

また、生活環境や自然環境の保全のためには、全ての市民や事業所などの協力や意識の向上も必要だと考えておりますので、錦江湾クリーンアップ作戦による海岸線の清掃や広葉樹の植林などの環境教育の意味合いを持つ事業などを通じて意識の醸成も図ってまいります。

あいら斎場は、施設として43年間の役目を終え、新たに「あいら斎場悠久の杜」という名称の安らぎと尊厳を感じる施設として、本年4月から供用を開始し、なお一層のサービス向上を図っていくとともに、平成29年度は「あいら斎場悠久の杜」へのアクセス向上のために、市道 鍋倉・触田線の道路改修を行ってまいります。

あいら清掃センター、あいら最終処分場やあいらクリーンセンターの環境処理施設は、行政改革大綱に基づく民間活用化を踏まえ、長期包括運営管理委託のもと、環境に配慮した生活密着型の施設として、適正な運営や維持管理に努め、市民の快適で住み良い環境づくりを目指してまいります。

特に、これまであいらクリーンセンターでは、汚泥処理を焼却処分しましたが、循環型社会・低炭素社会の一環として堆肥化による処理を行ってまいります。

最後「経営感覚を持った行財政運営のまち」

最後に「経営感覚を持った行財政運営のまち」についてであります。

現在、我が国の経済は、緩やかな回復基調が続いていると言われておりますが、米国の新大統領の政策や英国のEU離脱などによる海外経済の不確実性の高まりを受けて、先行きを不安視する声も聞こえております。

そのような中にあって、本市の歳出では扶助費を含む義務的経費の割合が増加傾向にあり、歳入では昨年と比較して市税は若干、増加しますが、普通交付税については平成27年度からの合併算定替により縮減し、本市の財政状況は厳しいものであるといえます。

限られた財源の中で、多様化する市民のニーズに応えて、効果的・効率的な市政運営を進めていくためには、徹底した行財政改革に取り組むとともに、民間の活力の応用や事業の選択と財源の集中などを行い、市の持続可能な発展と市民の福祉の向上を図ってまいります。

市民の方々への利便性向上としましては、今春開業予定のイオンタウン姶良東街区内に市民サービスセンターを開設して、県からの権限移譲に伴うパスポート交付や住民票、戸籍証明などの発行を行い、その取扱日を12月29日から翌年1月3日までの期間を除く毎日とし、取扱時間も午前9時から午後7時まで対応してまいります。

本市のインフラ施設を含めた公共施設などについては、姶良市公共施設など総合管理計画を策定し、長期的な視点を持って、更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行い、財政負担を軽減・平準化するとともに、公共施設などの最適な配置の実現を図ってまいります。

本市の政治と行政の拠点となる本庁舎建設に向けては、平成29年度に学識経験者などの外部委員を交えた検討委員会を立ち上げ、市民の多様なニーズに応えられるような施設とし、また、庁舎に係る企画・設計・竣工・運用・修繕・解体に至るまでの建物の生涯に係るライフサイクルコストを低く抑えた複合施設の建設を目指して、基本構想・基本計画を策定します。

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お問い合わせ

企画部企画政策課企画調整係

899-5492 鹿児島県姶良市宮島町25番地

電話番号:0995-66-3107

ファックス番号:0995-65-7112

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