更新日:2024年4月8日
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令和3年度の姶良市施政方針(原文のまま)
1 市政運営についての基本的な考え方
まずは、市政運営の基本的な考え方でありますが、令和3年度も令和2年度と同様に新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けながらの市政運営になることは間違いないところであります。
いまだ収束しないこのコロナ禍において、市民の安全・安心を守るために、これまで以上に全力でスピードある感染拡大防止策を実施してまいりたいと考えております。
昨年の3月26日。姶良市内で、鹿児島県で初めての新型コロナウイルス感染者が確認されました。その当時、感染者を含め多くの方々が、根拠のない情報をもとにした誹謗と中傷にさらされました。本当に残念なことで、私たちはこのことについては大いに反省しなければなりません。
今ではその状況は少しずつ緩和されてきておりますが、さまざまなところで差別的な行為や言動が繰り返され、決してゼロになっているわけではございません。いつでも、誰でも、どこでも罹患する可能性のある新型コロナウイルス感染症です。確かな情報をもとに正しく恐れるという意識を持つべきだと思います。
長く続くコロナ禍の中で、目の前の患者をなんとか救うために力を尽くされている医療従事者の皆さま。感染拡大防止に日夜奔走している保健所の皆さま。細かいところまで注意を払い高齢者と向き合っている介護関係者の皆さま。すべての関係者の皆さまに対して、心から感謝を申し上げたいと思います。
そして、姶良市民の皆さまには、仕事や生活に不安と負担、ご苦労をおかけしております。少しでも先行きの不安が取り除けるように国や鹿児島県等と連携し、この危機を皆さまとともに乗り越えていきたいと思っております。コロナに負けるな!という強い気持ちを持ってお互いが助け合い、地域の絆を守っていきましょう。
ワクチンの接種も徐々に開始されようとしています。1年前の今頃とは違い、トンネルの先に一筋の光明が見えているような気もします。
飲食店を始め多くの事業者にとっては、コロナ禍での生活維持はとても厳しいものがあると思いますが、今を耐え、希望を持って力強く未来を見据えていきましょう。決して一人ではありません。みんなで支えあってポストコロナ、アフターコロナの時代が来るのを待ち、その時に飛躍できるよう気持ちを蓄えておきましょう。
新型コロナウイルス感染症が収束したあとの社会がどのようになっていくのかは予想がつきません。しかし、いまコロナ禍だから何もできないと嘆いてばかりでは、何も生まれないような気がします。
今のピンチを将来のチャンスに変えるという考え方が必要です。新型コロナウイルス感染症が去ったあと、どのような市民生活がやってくるのか、姶良市ではさまざまなイメージを広げ、シミュレーションしていくことも重要だと考えております。
例えば、このコロナ禍になってリモートオフィスやワーケーションという言葉が頻繁に使われるようになりました。東京や大阪といった大都会にある本社内で働かなくても、離れた場所で仕事をしていけるわけです。インターネットが繋がってさえいれば、さまざまな仕事が都会でなくても地方でできるという発想が急速に広まり、受け入れられつつあります。
これは地方都市の姶良市にとって、大きなチャンスです。このような動きを見逃さずに、姶良市が働く場所としていかに魅力的かなどを広く発信し、一人でも多く、一社でも多く姶良市に来ていただく。そのためにはどのような準備が必要なのか、このコロナ禍の時期に考えておくことが重要だと思っています。
現在姶良市では、中山間部の北山地区・上名地区・漆地区で光ファイバーの整備を行っており、早期の完成と新たな魅力の創出を目指すべく事業を進めております。光ファイバーを整備することによって、中山間部にも都市部と同様のインターネット環境が整い、コロナ禍の中、都市部等からの中山間部への移住や交流も期待できるようになります。
もしかしたら、これまで常識だった生活は、この新型コロナウイルス感染症の影響で永久に戻ってこないのかもしれません。新しい生活様式自体が当たり前の生活になるのかもしれません。
そうした変容する暮らしにあっても、急速な技術革新の中にあるIoTやAIと、第5世代移動通信システム5Gなど進展する情報通信技術は、さらに生活の中に浸透し、より身近なものになります。
多くの皆さまもご存知のように、このような進化したデジタル技術を浸透させ、もっと人々の生活を良くしようと変革させる「DX:デジタルトランスフォーメーション」は「新たな日常」の原動力になるとも言われています。行政の中にもすでに取り組んでいる事例もあるようです。今まで遠い未来のことだと思っていたことが、このコロナ禍を経験した社会が、一気に高度なデジタル社会に姿を変える可能性もあります。これに乗り遅れないようにイメージを膨らませながら、ポストコロナ時代の姶良市の姿をシミュレーションしていきたいと考えております。
2020年、令和2年は「姶良市市制施行10周年」ということで、たくさんのイベントを予定しておりました。しかしながら新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、ほとんどのイベントや事業を中止や延期にせざるを得ず、残念な思いがあります。これは地域の方々も同様で、年中行事が中止になり日頃の楽しみ、つながり、絆が途絶えた1年だったろうと思います。
「姶良市市制施行10周年」については、年末に「式典」と「落語公演会」を無事開催できました。これはひとえに、市民の皆さまのご協力とご理解のおかげであり、コロナ禍の中にあって節目の年を祝えたことは感動的でもありました。心から感謝申し上げます。
しかしながら、昨年準備していた10周年イベントは、姶良市主催や地域主催などを合わせて、まだまだたくさんありました。そこで、今年、令和3年には、リベンジの気持ちも込めて今年1年を「姶良市市制施行10周年プラス1」として、地域のイベントを中心に昨年できなかった分、大いに盛り上げていこうと考えております。
姶良市は、市民の皆さまの不断の努力によって住みよい町として大きく成長しています。「住みここちランキング2020」の鹿児島県版で、鹿児島県すべての市町村の中で総合1位を獲得しました。これはとても誇らしいことであります。いま、実際に住んでいる市民の皆さまが「姶良市は住みここちが良いよ」と思っていただき、高い評価をしていただいているからです。私たちはこの結果に慢心せず、これからも安全・安心な住みよいまちづくりを目指してまいります。
私のモットーは、「すべてを姶良市のために。姶良市民のために」です。
この言葉は、昨年の施政方針演説でも述べておりますとおり、就任以来変わることなく、これからも愚直に、ひたむきに掲げてまいります。
そして、「第2次総合計画」のまちづくりの基本理念、「可能性全開!夢と希望をはぐくむ まちづくり」のとおり、コロナ禍であっても、姶良市が持つ大きな可能性を伸ばし続けていこうという目標は変わりません。今年もさらに大きな信念を抱き、姶良市の可能性を引き出すために邁進してまいります。
私が推進する政策においては、昨年の施政方針演説で、「すでに現在種まきが終わり萌芽と成長、実りを促すもの。また、まだ種まき中であり時間はかかりますが、確実に進捗させているもの」があると申し上げました。
この1年、進められるものは最大限の努力をして進めてまいりましたが、多くの施策において、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、前進がままならなかった施策もございます。コロナ禍の中であっても、どのようにしたら前進できるかを苦心しながら施策の推進を図ってまいりたいと考えております。
「全天候型子ども館」につきましては、昨年の第3回定例会で地質調査の予算を承認していただき、現在作業を進めております。毎年、子育て世代の方々の人口も増え、それに伴って子どもの数も増えてきていますが、その方々に子ども館についてのアンケートも実施しましたところ多くの方に賛同いただき、施設の必要性が確認されたところであります。
「帖佐駅を中心としたまちづくり」につきましては、バスやタクシーなどの乗り継ぎを安全にスムーズにできるよう利便性を高めるとともに、「街あるき」などと合わせて地域の賑わいをもたらす場となるよう帖佐駅前の広場を拡張・整備いたします。
昨年末に関係する都市計画変更の手続きを終え、現在は、整備に向けた事業認可の手続きを進めるとともに関係機関と協議を重ねているところであります。
また、駅前からイオンタウン姶良方面に伸びる県道につきましても、駅前広場の整備に合せて、県が整備に向けた具体的な検討を進めており、近い将来賑わいをもたらす利用しやすい道路として整備されるものと期待しております。
そして「高等教育機関の設置」ですが、昨年は、特に新型コロナウイルス感染症の影響を多く受けました。予定していた国の機関との勉強会や研究機会がすべて奪われ、さまざまな講習会も中止を余儀なくされています。先進地域への視察も、新型コロナウイルス感染症の影響で訪問が難しく、ほとんど行えていない状況です。
今年も多くの可能性を排除せず、公立大学法人の短大に限らず4年制大学やサテライトキャンパスの誘致などについても幅広く研究していくことに変わりはありません。また、学部についてもコロナ禍も踏まえ、現代のニーズにあった学問を選択することも視野に入れ、看護部門にこだわらず幅広く研究してまいります。
今年は、新型コロナウイルス感染症が収束することを期待しながら、ニーズ調査や意向調査を実施し、施策の遂行を進めていきたいと考えております。
「大型グラウンドゴルフ場の設置」につきましては、健康寿命の延伸や、愛好者の増加などを鑑みれば、できるだけ早い完成を目指すものでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響による社会状況も勘案しながら進める必要があると考えております。
昨年も日本各地で大きな自然災害に見舞われました。特に熊本県・人吉市を中心に九州各県にも大雨や台風が襲いました。土砂崩れや川の氾濫などで、いまだに被災したまま厳しい環境の中で生活されている方々もたくさんいらっしゃいます。心からお見舞い申し上げます。
防災については、姶良市も対岸の火事とせず、今年も大きな覚悟を持って臨んでまいります。昨年は、新型コロナウイルス感染症を意識した避難所の運営に心を砕きました。3密を避けるために定員の半数での受け入れ、検温・手指消毒をお願いし、感染症拡大予防の対策を徹底しました。
今年は、昨年の経験をもとにさらに安全・安心を確保して避難所の運営に傾注していきたいと考えております。
新型コロナウイルス感染症や自然災害など、市民の皆さまにとっては不安や心配なことばかりではありますが、姶良市は、これからの10年を見据えた大きな視点を持ち、子ども達の輝かしい未来を私たちの手で作り上げるために、今、何をすべきかを常に問いながら、市民の皆さまと共に進んでいきたいと考えております。
市議会の皆さまをはじめ、市民の皆さまのご理解と一層のご支援を心からお願い申し上げます。
2 主要施策の概要
次に、第2次総合計画の基本構想を実現するために展開する6つの主要施策について、その概要を申し上げます。
なお、「新型コロナウイルス感染症対策に関する事業」につきましては、国の補正予算による追加の地方創生臨時交付金など、国の支援策を最大限に活用し、本市における感染拡大防止と経済再生の両立に向けた事業を、適宜、一般会計補正予算として計上することとしております。
また、現在計画しております、蒲生総合支所の複合新庁舎や全天候型こども館などの大型整備事業については、新型コロナウイルス感染症拡大による影響などを考慮し、スケジュールの一部を見直すこととしております。
協働・自治
第1に、市民と共にまちを創る「協働・自治」の分野についてであります。
校区コミュニティ協議会や自治会では、このコロナ禍において、新しい生活様式を意識しながらも、活力・魅力ある地域づくりを推進するため、ご尽力いただいております。
こうしたコミュニティ活動や市民活動の推進に対して、企画提案型校区活性化事業を創設し、財政的な支援はもとより、地方における暮らしの豊かさや地域の魅力を高めるための情報発信についても支援していきたいと考えております。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、地方における暮らしの豊かさに、改めて注目が集まっております。この機会を逃すことなく、移住・定住やテレワーク、起業支援を推進するための事業に取り組んでまいります。
男女共同参画の推進につきましては、「第2次姶良市男女共同参画基本計画」に基づき、一人一人の人権が尊重され誰もが安心して暮らすことができるまちを目指して、市民や事業者の皆さまをはじめ、関係機関・各種団体など、一体となって取り組んでまいります。
また、女性がその個性と能力を発揮し、男女が共に安心していきいきと働くための女性活躍推進事業も、引き続き実施してまいります。
デジタル化につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機とし、これまでデジタル化が進まなかった領域においても機運が高まってきており、国においては、自治体デジタルトランスフォーメーション推進計画を策定し、また、デジタル庁の創設に向けた準備が進められているところであります。
市におきましても、このような国の動向に対応するため、現在の「情報政策課」を「デジタル行政推進課」に再編することとしております。
さらに、地方公共団体情報システム機構への職員派遣を行うための条例改正案を本定例会に提案しているところであります。
今後とも、国の動向を注視しつつ、デジタル行政を支える情報通信基盤の整備促進など、デジタル社会の実現に向けた取組や積極的な情報収集を図ってまいります。
また、行政手続における押印の見直しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と、市民の利便性向上・行政事務のデジタル化・効率化の観点からも、引き続き、可能なものから押印の廃止に取り組んでまいります。
自主財源確保策の一つである「ふるさと姶良応援寄附金」につきましては、令和3年度における寄附額を4億円と見込んでおります。
今後とも寄附額の増加に向け、地場産品を生かした返礼品や返礼品等協力事業者の募集等により、姶良市の応援団になっていただけるようなPRを積極的に進めてまいります。
また、「企業版ふるさと納税」につきましても、寄附を通して姶良市のまちづくりに協力いただける企業の募集を、トップセールスを含め積極的に取り組んでまいります。
市営住宅につきましては、築50年以上経過しているものについて、周囲の環境や衛生面、防犯上の観点と、さらに自主財源確保の面からも、年次的に解体を行い、その解体後の土地については公売による売却処分を行うほか、地域住民の意向に沿った形で取り組んでまいります。
「複合新庁舎建設」につきましては、姶良庁舎本館の建設工事が始まりますが、近隣にお住まいの方々や、付近を通行される方々への安全を十分配慮しながら施工してまいります。
また、加治木・蒲生の両総合支所につきましては、基本設計の業者選定が終わり、これから詳細な内容を検討する段階に入ります。特に、複合機能部分やスケジュールについては、市民の皆さまへの情報提供を積極的に行い、まちづくりの機運醸成を図りながら進めてまいります。
子育て
第2に、安心して子どもを生み育てる「子育て」の分野についてであります。
結婚、妊娠・出産、子育てにおける切れ目のない支援の提供や、就学前教育・保育の充実など、子育て支援をさらに充実させるとともに、全ての子ども・若者が健やかに成長し、自分らしく生きることができるまちを目指して、取組を進めてまいります。
待機児童解消に向けた対策としまして、民間による保育所や認定こども園の新設、増設、改修等の整備に要する経費に対し、引き続き支援してまいります。
包括的な子育て支援を進めるため、民間の医療機関と連携しながら病児・病後児保育や一時保育を継続して実施し、子育て支援の充実を図ってまいります。
子ども医療費の助成につきましては、本年4月1日から、非課税世帯の18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子どもまでに拡充し、保護者の経済的負担の軽減に努めてまいります。
教育・文化
第3に、健やかで豊かな心が育つ「教育・文化」の分野についてであります。
姶良市教育振興基本計画の教育理念である「古
いにしえ から未来への架け橋~新しい風に乗って 市民総ぐるみによる 自立の教育を目指して~」のもと、姶良市子育て基本条例の理念に基づき、社会全体の協働による子育て・人づくりのための施策を展開してまいります。
学校教育では、GIGAスクール構想や新型コロナウイルス感染拡大防止策の一環として、学校のICT化を推進するための校務支援システムの導入、パソコンの更新、学校間のグループウェアの導入等を図ってまいります。
また、学校施設の防水工事や改修工事を実施するとともに、学校備品の整備も継続して実施してまいります。
さらに、モラリティ・インプルーブメント推進事業や中山教育振興基金を活用したスーパーサイエンス総合推進事業を継続して実施してまいります。
生涯学習につきましては、昨年7月に策定しました「姶良市生涯学習推進計画」の基本理念である「学びあい 支え合い そして活力のあるまちへ」に基づき、多様化する市民ニーズに対応するための新しい生涯学習の在り方を推進してまいります。
新たな学校給食施設の整備につきましては、複合新庁舎等に伴う財政計画を勘案しながら、年次的に進めてまいります。
高等教育機関の設置に向けては、現在、担当課において調査・研究を進めているところであり、令和3年度においては、高等教育機関設置に関するニーズ調査や首都圏等の高等教育機関に係る意向調査を実施する計画であります。
健康・福祉
第4に、誰もが安心していきいきと生きる「健康・福祉」の分野についてであります。
国におきましては、コロナ禍の収束に向けて、新型コロナワクチンについて、すべての国民に提供できる数量の確保と、全国におけるワクチンの流通体制や接種体制の整備に取り組まれており、私ども地方公共団体は、日々、国の動向を注視しているところであります。
本市におきましても、市民の皆さまへのワクチンの円滑かつ迅速な接種に向けて、保健福祉部健康増進課内に「新型コロナワクチン接種推進チーム」を設置し、接種体制の構築に向けた準備を精力的に進めているところであります。
全国的に成年後見制度が十分に活用されていない状況を踏まえ、国においては、平成29年3月に「成年後見制度利用促進基本計画」を策定し、市町村においては、国の計画を勘案した計画の策定に努めるものとされました。
本市におきましては、平成31年3月に「第2次姶良市地域福祉計画」を策定し、この計画に基づき成年後見制度に関する周知・広報について取り組んでいるところですが、さらに成年後見制度の具体的な実行に向けた考え方や取組を盛り込むために、令和3年度において国の計画に基づいた、地域福祉計画の見直しを行います。
市民の健康を守る活動として推進している「適塩
てきしお プロジェクト」につきましては、昨年10月に包括連携協定を締結しました、あいら農業協同組合や各種団体とも連携協力しながら、更なる事業の展開を図ってまいります。
障がい者支援につきましては、「第2次姶良市障がい者計画」に基づき、市民・事業所・行政が「助け合い」、「支え合い」、「連携」することにより、安心して自立した地域生活を送ることができるよう、生活支援と社会参加を推進してまいります。
その他、高齢者福祉の充実を図るための、健康・長寿支援チケット交付事業や配食時見守り支援事業など、また、地域包括ケアシステムを推進するための各種事業についても、引き続き実施してまいります。
産業・交流
第5に、まちの魅力が輝き活力にあふれる「産業・交流」の分野についてであります。
冒頭で、「インターネットがつながってさえいれば、さまざまな仕事が都会でなくても地方でできること。また、姶良市が働く場所としていかに魅力的かなどを広く発信し、一人でも多く、一社でも多く姶良市に来ていただくこと」について、述べさせていただきました。
来月13日には、九州自動車道『桜島スマートインターチェンジ』上り線 熊本・宮崎方面への入口が開通し、これにより、各方面への全ての出入口が利用できることとなり、本市への車や人の流れが変わってくるものと考えております。
移住を段階的に捉え、まずは関係づくりから始め、関係性を段階的に強化し、移住に結び付ける取り組み、姶良市と何らかの関わりをもつ「関係人口」を創出し、関係づくりを契機とした「交流人口」、「移住人口」の増加を目指してまいります。
そのため、あいらファンクラブ会員や姶良ふるさと大使などに加え、姶良市出身者等のインフルエンサーを活用し、また県や隣接する鹿児島市・霧島市などとの広域連携の取組により、一層の充実を図ってまいります。
姶良市総合運動公園の多目的広場と駐車場が令和3年度中に完成を迎えることから、これまでの春季キャンプにより交流を深めている亜細亜大学と連携した事業やフットボールセンターの活用等による関係人口の拡大とスポーツツーリズムの推進を図ってまいります。
商工業の振興としましては、商店街活性化事業を継続するなど空き店舗対策や起業の支援に努めてまいります。併せて、ウィズコロナを意識したイベントの模索や、日本遺産である“蒲生麓”の魅力などを活用した観光PRやまつり補助による観光振興を行ってまいります。
農林業の振興を図るため、農業用施設の整備・保全、農業用水利施設の保全・合理化のための整備のほか、認定農業者の支援、また、森林環境譲与税を活用した林業経営改善事業などハード・ソフトの両面から農林業を支援してまいります。
さらに、有害鳥獣対策につきましては、その捕獲に対し、引き続き補助金を交付し、積極的に取り組んでまいります。
また、今月開催しました「煮しめグランプリ」については、今後とも継続して開催し、鹿児島に伝承される食文化の発信や地産地消につなげてまいります。
安全・安心
第6に、快適な暮らしを守る「安全・安心」の分野についてであります。
災害は、いつどこで発生するか予測が大変難しく、また、近年ではその発生頻度も増加し、規模も激甚化しつつあると感じており、想定外の事態に平常時から備えておく必要があると考えております。
国においては、令和3年度から防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策により、重点的・集中的に対策を講ずるとしており、本市におきましても、昨年12月に「国土強靱化地域計画」を策定したところであります。
市としましては、これまでの防災・減災対策に関する取組を念頭に、今後の本市の強靭化に関する施策を、国や県の計画との調和を図りながら、国、県、民間事業者など関係者相互の連携のもと、総合的、計画的に推進してまいります。
また、令和3年度は、姶良市を会場として県の総合防災訓練が実施されることとなっております。ぜひ、市民の皆さまにもご参加いただき、これまで以上に防災に対する意識を高めていただければと考えております。
災害の発生予測や避難情報の伝達手段の一つである防災ラジオにつきましては、その購入経費について、国の交付金を活用して、昨年の第4回定例会で補正予算に計上し、前倒しして有償での配布を進めております。
併せて、災害に即応し、市民の安全・安心に寄与するため、中央消防署に配備している救助工作車を更新することとしております。
排水路の整備につきましては、豪雨による冠水等の被害が恒常的にみられる区域について計画的に実施してまいります。
また、市が管理する河川につきましては、昨今、全国的に頻発している河川氾濫などを踏まえ、緊急的に浚渫事業に取り組み、河川工事も含め計画的に進めることとし、危険箇所の解消を図ってまいります。
自治会防犯灯のLED化を推進するため、引き続き助成を行い、自治会の設置負担の軽減と維持経費の削減を図り、安全・安心なまちづくりを進めてまいります。
自然と共生する快適な生活を送る上で、循環型社会の構築は欠かせないものであり、廃棄物の発生抑制や再利用の促進と併せ、再生可能エネルギーの利用促進に取り組むとともに、「地球温暖化対策実行計画」に基づく温室効果ガスの排出削減に努めてまいります。
公共交通網の維持及び強化につきましては、利用者の増加に向けて、「地域公共交通網形成計画」を見直すこととしており、市民の日常生活における利便性の向上に努めてまいります。
また、駅前を中心としたまちづくりの推進としまして、帖佐駅前広場の整備が事業実施の段階に入ることとなり、今後、地権者や関係者のご理解とご協力をいただきながら、早期完成を目指してまいります。
快適な住環境の整備として、空き家・空き地の解消や利活用を進めるとともに、美しいまちなみや歴史的な資源の保全に努めてまいります。
地域の活性化を支える幹線道路の整備を進め、生活道路の維持・整備を図るとともに、橋りょうについては、長寿命化計画に基づき年次的な改修を実施してまいります。
市民のライフラインの一つである水道につきましては、水道ビジョンに基づき老朽管の年次的な更新など、安全・安心な水の確保と提供に努めてまいります。
以上、主要施策の概要を申し上げましたが、新型コロナウイルス感染症対策を最優先に取り組みながら、さらに持続可能な地域社会の実現に向けたSDGsへの取組やSociety5.0など新たな行政課題への対応も含め、市民の皆さまにわかり易く情報発信し、市民協働による持続可能な自治体運営に取り組んでまいります。
また、厳しい財政状況の中、限られた財源と資産を有効活用し、市民の福祉向上を図るための施策を効果的に推進するため、効率的な行財政運営の追及や積極的な歳入確保などに努めてまいります。