更新日:2019年2月22日
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平成31年度の姶良市施政方針(原文のまま)
平成31年第1回市議会定例会の開会に当たりまして、市政運営の基本的な考え方及び主要施策の概要等を述べますとともに、今回提案しております、議案第1号平成31年度姶良市一般会計予算から議案第10号 平成31年度姶良市下水道事業会計予算までの提案理由につきましてご説明申し上げます。
1市政運営の基本的な考え方
まずは、市政運営の基本的な考え方であります。
今年は、平成最後の年に当たり、この第1回定例会も平成最後の議会となります。5月からは新しい元号のもと新しい時代が幕開けするという節目の年であります。
このような記念すべき年に、伸びゆく姶良市の舵取りを任せていただくのは、誠に光栄なことと感じております。
今年の干支「イノシシ」のように、前向きに歩を進め、休むことなく「猪突猛進」全力で市政の運営に邁進してまいりますので、市民の皆様のご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
そして、今年は「島津義弘公没後400年」の記念すべき年であります。日置市・湧水町・宮崎県えびの市との三州同盟を機軸に、連携して盛り上げていきたいと思っています。
私は、昨年4月、市長に就任して以来「すべてを姶良市のために。姶良市民のために」をモットーに、それを実現するために市民に寄り添う市役所を目指して職務に専念してまいりました。
姶良市は来年、市制施行10周年を迎え、行政体としても大きく成長しなければいけない時期に差し掛かっています。そのためには、市民の皆様が安心して過ごせるまちづくりを実行していかなければいけません。その努力をさらに重ねていく所存です。
日本全国で人口減少が止まらない中、幸せなことに姶良市では少しずつ人口が増えています。本年2月1日現在、市の総人口が7万7,366人。昨年の同じ月に比べると407人増えています。
このことは、多くの人に姶良市が住みやすいと思っていただき、そして実際に住んでいただいている証左(
しょうさ)だと考えます。
また、東洋経済新報社が毎年発表する住みよさランキングで3年連続県内1位を獲得したのも、姶良市を評価する客観的なデータとして誇れるものだと思います。
鹿児島県の中央に位置する姶良市は、豊かな自然と悠久の歴史。その歴史に育まれた文化。そして豊富な人材。さらに、生活には欠かせないインフラも既に揃っていまして、とても良い環境で生活できる、恵まれた地域です。
しかし今、このことに満足してしまってはいけません。前進する足を止めず、もっともっと市民の皆様が住みやすくなるためのまちづくりを実行していくことが肝要だと考えます。
鹿児島県内の各自治体が、少子高齢化の波に抗
あらが うために英知を集結し、知恵を出し、いまこの時点でも、厳しい現状を打破するための方法と手段を探り研究しています。
将来への可能性と伸び代に恵まれた姶良市が、現状に満足し、足を止めてしまうと、未来に開けている多くの可能性を自ら放棄することになります。
「そうであってはいけない。」、という思いを込めまして「第2次姶良市総合計画」では、まちづくりの基本理念を『可能性全開! 夢と希望をはぐくむ まちづくり ~ひとりひとりが主役 住みよい県央都市 あいら~』としまして、姶良市が持つ大きな可能性を伸ばしていこうという目標を掲げました。
姶良市の可能性。その一翼を担うのが地域の未来を託す子どもたちです。姶良市には多くの子育て世代が住み、このまちで子育てをすることを選択していただいています。
その期待に私たちは応えなければいけません。安全に、そして安心して子育てができ、子どもたちがのびのびと過ごせる姶良市をつくっていくことこそ、可能性全開の核心そのものだと考えます。
そのために、まずいつでも安心して子どもが遊べ、子育て世代の悩みやストレスを解消するための施設「全天候型のこども館」の設置を進めています。
そして、就学し、成長していく子どもたちのために、地元で高等教育を受けられる環境を整えていきます。それが、公立大学法人の大学若しくは短期大学の設置です。
姶良市は、15歳から24歳までの人口が極端に減少します。その流出を食い止める意味でも高等教育機関の設置は悲願でもあります。今年度から、調査・視察に係る予算を計上するとともに、市役所内の組織を改編し、公立大学設置に向けた体制を本格化していく所存です。
姶良市が大きく成長しながら同時に考えていかなければいけないのが「防災」です。
昨年は、日本全国で大きな災害が頻発しました。大雨や台風、地震や大雪。いまだに被災したまま厳しい生活環境の中で取り残されている方々もたくさんいらっしゃいます。
姶良市は、幸いなことに大きな災害には見舞われていません。しかし、これから先、いつ災害が起きてもおかしくない自然環境です。
特に今の姶良市は、これまで田んぼや畑が広がっていた地域が盛んに開発され、大型店舗や新しい住宅街へと変貌しています。今までの防災インフラでは不充分となっており、その対応を急ぎ、さらに災害に強いまちづくりに着手する必要があります。
まずは、排水路の整備や避難所へのWi-Fi環境整備に力を注いでまいります。
姶良市がさらに発展するためには国や県との連携は欠かせません。
駅前を中心としたまちづくりにおいても県と密接な連携をとっております。
早速、今年から帖佐駅前からイオンタウン姶良に続く県道の改修が開始され、併せて帖佐駅前広場の整備計画の策定も進めてまいります。
駅前を中心としたまちづくりが、まずは帖佐駅前から動き始めるのです。
そして、姶良市総合運動公園では、フットボールセンターがまもなくオープンします。
県サッカー協会やJ2に昇格した鹿児島ユナイテッドFCとも連携し、姶良市をサッカーで盛り上げていきます。
年間の稼働率を高め、市民の皆様にも大いに利用していただきながら、県央姶良市をスポーツの盛んな地域にしていきたいと思っています。
また、国との連携におきましては、悲願であった国道10号の4車線化が実現する運びで、脇元の高架橋から白浜地区までの4車線化への拡幅工事が今年から着工されます。今まで以上に通勤・通学が便利になり、住みよい姶良市へとさらに変貌するのは間違いないと思います。
全体的な人口は増えている姶良市ですが、山間部では減ってきています。
里山は空き家が目立ち、山の管理も行き届かなくなっているのが現状です。サルやイノシシ、シカの鳥獣被害に悩まされ、高齢化と若者不足がとまらず厳しい生活を強いられています。
姶良市では今後、少しでも快適な生活が送れるよう様々な支援を考えているところです。
予約型乗合タクシーの導入や鳥獣被害に対する抜本的な方策への研究・調査。空き家対策への積極的な取組など、行政挙げての施策を考えているところです。まだまだ足りないところはたくさんありますが、日々考え、努力をしてまいります。
一方、明るい兆しがあるのも事実です。
北山や山田地区、蒲生の漆など、住民自らの手で地域の活性化に挑戦している地域も多くあります。独自のイベントを考案し、多くの人を山里へいざなう努力は、本当にすばらしく敬服するものがあります。
地域のことを一番知っていて、一番愛しているのはそこに住む方々です。その方々が活発に動き始めていまして、私はそういう地域こそ行政が手を差し伸べ、一緒に活性化を進めていくべきだと考えます。日本全国のモデル地域としての可能性も秘めている活動的な地域を育てていきたいと思います。
姶良市は、来年の2020年に市制施行10周年を迎えます。
10年の歩みは順風満帆な時ばかりではなかったと思いますが、元号が変わる今年から10周年を迎える来年にかけて、さらに新生姶良市を、そして元気な姶良市を、日本全国にアピールしていきたいと思っています。
「すべてを姶良市のために。姶良市民のために」
私が掲げるモットーは、いささかの迷いもございません。
私が目指す姶良市は、住んでよかったと思ってもらえるような安全・安心な姶良市です。そう思ってもらうように、「猪突猛進」!これからも全力で走っていきたいと思います。
2主要施策の概要
次に、第2次総合計画の初年度となる2019年度に当たり、基本構想を実現するために展開する主要な施策について、6つの政策分野ごとにその概要を申し上げます。
協働・自治
第1に「協働・自治」の分野についてであります。
住民が主役のまちづくりを進める上で、共生協働によるまちづくりは欠かせない要素の一つであると考えております。
また、市民のニーズに応えていくためにも「校区コミュニティ協議会」は重要なパートナーであり、校区コミュニティ協議会と一緒になった共生協働のまちづくりを進めることとしております。
そのため、これまでどおりの支援に加え、山間地域へのコミュニティ情報伝達を図るための手段についても調査・研究を進めてまいります。
姶良市の人口は、県本土においては唯一増加を続けており、第2次総合計画においても人口8万人を目標として掲げております。
しかしながら、人口が集中している地域は、市の南部に偏る傾向にあり、中山間地域におきましては人口減少傾向に歯止めがかからない状況が遍在されます。
このため、中山間地域を中心に移住・交流を促進するため、首都圏などで開催される移住交流フェアや説明会において、姶良市の魅力をPRし、移住先として姶良市を選んでいただけるような事業を展開してまいります。
人権の尊重に向けた男女共同参画の推進としましては、これまでの施策に加え、女性の活躍推進を図るために必要な広報・啓発に努めてまいります。
また、本年度中を目処に、マイナンバーカードを利用して、全国のコンビニエンスストアで住民票の写しなど証明書交付が可能となる仕組みを構築してまいります。
複合新庁舎の建設につきましては、姶良庁舎の設計業務の着手や、加治木・蒲生の両庁舎の計画づくりを進めてまいります。
このほか、公立保育所の民営化に向けた取組に着手しますとともに、2020年度の市制施行10周年に向けた取組も着々と進めてまいります。
子育て
第2に「子育て」の分野についてであります。
安心して、子どもを生み育てるための環境づくりは、欠かせないものであると考えております。
姶良市の人口増の要因としましては、子育て世代の方々が子どもさんと一緒に移り住んで来られることが挙げられます。
今後とも、この傾向を助長するために、子育て支援の拠点となる施設の整備を推進してまいります。
子ども家庭総合支援の拠点として「子ども相談支援センター」の運営を開始し、子どもに関する相談窓口のワンストップ化を目指すとともに、保育士の業務負担の軽減等を図る保育対策総合支援事業にも取り組んでまいります。
また、子育て支援の推進として、妊産婦や乳幼児の健康支援、また子ども医療費への助成についても継続して実施してまいります。
併せて、放課後児童クラブの充実や待機児童の解消に向けた取組も進めてまいります。
さらに、婚活支援団体等と連携しながら結婚に対する支援策や妊娠・出産の希望をかなえ、経済的な負担の軽減を図るため、不妊治療の助成を継続してまいります。
教育・文化
第3に「教育・文化」の分野についてであります。
教育は、まさに後世まで残る財産を築くことにつながります。
姶良市の子どもたちの未来のため、子どもたちに夢と希望を与えるためにも教育と人材育成に取り組んでまいります。
その具体的な政策である「公立大学法人の大学若しくは短期大学の設置」に向け、体制整備を含め準備に取り組んでまいります。
児童生徒の健全な育成を促進するためにも、教育環境を整えることは欠かせません。このため、学校施設の長寿命化計画を策定し、年次的な改修に努めてまいります。
また、安全・安心で、質の高い給食を安定的に供給するために、学校給食施設の整備についても検討を進めてまいります。
「燃ゆる感動 かごしま国体・かごしま大会」を2020年度に迎える準備として、姶良市総合運動公園や蒲生体育館などの整備を進めてまいります。
また、県内では唯一となりますフットボールセンターの整備と一体的に行う、陸上競技場の芝張替も予定しており、完成の暁には人工芝コートを含めた利活用が図られ、スポーツキャンプの誘致にもつながるなど、更なる交流人口の増加を期待しております。
青少年の健全な育成を図るため、多様なプログラムを設定し、豊かな人間性を育むとともに、文化の薫り高いまちづくりや生涯学習・生涯スポーツの推進につきましても継続して実施してまいります。
健康・福祉
第4に「健康・福祉」の分野についてであります。
姶良市に限らず、超高齢社会の進行に対応した更なる施策が必要となると考えております。
そのためには、日ごろから健康づくりを積極的に行うことが出来る環境を整え、健康寿命の延伸を図ることが必要となります。
姶良市では、これに対応するため、グラウンドゴルフ場の整備に取り組むこととし、まずは、その適地や規模について検討してまいります。
また、生活習慣病の発症や重篤化を予防するため、各種健診の受診勧奨を行い、受診率向上や疾病の早期発見等につなげてまいります。
障がい者、障がい児福祉の充実としまして、基幹相談支援センターによる相談事業を充実させるとともに、大学修学支援事業など経済的負担の軽減にも取り組んでまいります。
地域包括ケアシステムの推進として、介護予防サービスの充実や認知症の早期発見・早期対応への取組の推進とともに、高齢者の健康保持増進と移動手段の確保を図る健康チケットあいあいの交付を継続してまいります。
地域福祉の推進としましては、福祉ボランティア活動の活発化を促進し、地域福祉に寄与する施策を横断的に取り組んでまいります。
産業・交流
第5に「産業・交流」の分野についてであります。
農業の振興におきましては、新規就農者や認定農業者への支援はもとより、食の安全・安心に配慮した「有機の郷
さと ・あいら」を推進し、生産拡大を目指してまいります。
また、中山間地域を中心に、有害鳥獣による被害が増加傾向にありますので、先進事例を参考としながら新たな取組を進め被害の軽減を目指します。
林業関係では、高性能林業機械の導入促進による作業効率の向上と生産コストの削減を図り、担い手育成や未来につなぐ森林(もり)づくりを進めてまいります。
商工業の活性化対策として、空き店舗活用への助成や産業フェスタの開催、農商工連携の推進、まつり等のイベント開催により、交流人口の拡大を目指してまいります。
さらに、地域における「食」や「工芸品」のブランド力を高めるため、都市圏におけるトップセールスや地域ブランドとして育てる仕組みづくりについても研究してまいります。
若者の定住やU・Iターンの方々を受け入れるためにも、雇用を生み出す企業の誘致は欠かせない事業であります。
企業誘致は、これまで堅調に推移していますので、引き続き土地開発公社など関係機関と連携を図りながら取り組んでまいります。
観光面におきましては、NHK大河ドラマ「西郷どん」などのロケ地となりました龍門司坂駐車場へトイレを新設します。
また、近隣の龍門滝温泉のリニューアルに着手してまいります。
冒頭で申し上げましたように、本年は、島津義弘公没後400年の記念すべき年であります。それを前に、義弘公が起源の「加治木くも合戦」が、日本ユネスコ協会連盟の「プロジェクト未来遺産」に選定され、記念すべき年に、華を添えていただきました。
また、義弘公ゆかりの太鼓踊りや弓道・剣道大会など関連する大会とあわせ、記念の「冠」を付けて、さらにグレードアップした行事にしていくとともに、義弘公の顕彰を目的としたイベントや歴史民俗資料館において「特別展示」も計画しております。
そのほか、黒川岬の展望公園整備につきましても継続して実施してまいります。
また、広域的な課題につきましては、関係する市・町と連携を図ることにより、より成果が上がるような取組を進めてまいります。
グローバル化の進展やインバウンドへの対応とともに、近年の外国人労働者や技能実習生の増加に伴う新たな課題や環境整備等につきましても対応を検討してまいります。
安全・安心
最後に、第6の「安全・安心」の分野についてであります。
災害は、いつどこで発生するか予測が大変難しく、また、近年ではその発生頻度も増加し、規模も激甚化しつつあると感じております。まさに、常識を覆すような想定外を想定の範囲として、平常時から備えておく必要があると考えております。
2019年度は、姶良市を会場として、県の総合防災訓練が実施されることとなっておりますので、市民の皆様方にもご参加いただき、これを契機に防災に対する意識の高揚につなげていただければと考えております。
また、災害の発生予測や避難情報の伝達手段は、いくつかのツールを準備しておく必要があると考えております。
その一つとしまして、2018年度までに防災行政無線のデジタル化整備が完了しますので、これまで以上に市民の皆様方に的確かつ迅速に情報の伝達が出来るものと考えております。
その他の情報伝達として、コミュニティFMの活用も有効な手段となりますので、防災ラジオの有償頒布も継続して実施してまいります。
併せて、避難所へのWi-Fi環境整備や消防自動車等の整備につきましても、年次的に進めてまいります。
安全・安心な住環境をつくるためには、排水路の整備により、豪雨災害からの減災を図る必要があると感じており、まずは冠水等の被害が恒常的にみられる区域について整備を急いでまいります。
また、自治会防犯灯のLED化を推進するため、2019年度から補助制度を見直し、自治会の設置負担の軽減と維持経費の削減を図り、安全・安心なまちづくりを進めてまいります。
自然と共生する快適な生活を送る上で、循環型社会の構築は欠かせないものであり、廃棄物の発生抑制や再利用の促進と併せ、再生可能エネルギーの利用促進に取り組むとともに、地球温暖化対策実行計画に基づく温室効果ガスの排出削減に努めてまいります。
今後、高齢化等の進展に伴い、ごみ出しが困難な一人暮らしの方などが増えてくるのではないかと懸念されており、資源物を含む家庭ごみの搬出に対する支援策について、先進事例等の調査や関係団体との協議を進めてまいります。
公共交通網の維持及び強化につきましては、地域公共交通網形成計画に基づき、予約型乗合タクシーの拡充など市民の日常生活における交通手段の確保に努めてまいります。
また、快適な交通環境の整備としまして、2018年度の加治木駅のバリアフリー化に続き、帖佐駅のバリアフリー化や駅前広場の整備につきましても関係機関・団体と連携して取り組んでまいります。
現在は、人口増加がみられる姶良市におきましても、将来的には減少へ転じることが予測されており、その備えも必要であると考えております。
そのため、立地適正化計画において、誘導区域を設定し、居住や都市機能の誘導を図るとともに、公共施設の再編、複合化による新たな地域づくりの拠点の整備を検討してまいります。
さらに、快適な住環境の整備として、空き家・空き地の解消に向けた対策を検討するとともに、美しいまちなみや歴史的な資源の保全に努めてまいります。
地域の活性化を支える幹線道路の整備を進め、生活道路の維持・整備を図るとともに、橋りょうについては、長寿命化計画に基づき年次的な改修を実施してまいります。
特に、スマートインターチェンジの開設や国道10号の4車線化へ向けた白浜地区拡幅の着工の目処がついたことは、本市のみならず、姶良地区及び本県の経済発展につながると期待しております。
市民のライフラインの一つである水道につきましては、水道ビジョンに基づき老朽管の年次的な更新及び浄水場の整備など、安全・安心な水の確保と提供に努めてまいります。
なお、第2次総合計画には目標数値を掲げており、その達成状況につきましては、逐次、確認することを申し添え、2019年度の施策概要の説明といたします。
3経済情勢と国・県の予算等
次に、経済情勢と国・県の予算等につきまして申し上げます。
内閣府が発表しました本年1月の月例経済報告によりますと、「景気は緩やかに回復している。先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行きなど海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。」とされております。
こうした中、国の平成31年度の予算案につきましては、「経済・財政再生計画」で位置づけられた、社会保障改革を軸とする基盤強化期間の初年度となる予算であり、同計画に基づき、歳出改革等に着実に取り組むこととしており、現下の重要な課題に的確に対応しつつ、経済再生と財政健全化の両立を実現する予算としております。
具体的には、本年10月に予定される消費税の増収分を活用し、全世代型の社会保障制度への転換に向けて、幼児教育・保育の無償化をはじめ、社会保障の充実を図るほか、通常分の予算に加え、「臨時・特例の措置」を講じることとし、中小小売業等のキャッシュレス手段を使ったポイント還元や、低所得・子育て世帯向けのプレミアム付き商品券事業などの対策等に取り組むこととしております。
次に、地方財政についてであります。
平成31年度の地方財政については、「経済財政運営と改革の基本方針2018」を踏まえ、国の一般歳出の取組と基調を合わせつつ、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について、30年度の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保することとしております。
その中でも、地方交付税総額につきましては、前年度を0.2兆円上回る16.2兆円程度を確保し、増額は平成24年度以来、7年ぶりであります。
次に、県の予算についてであります。
県においては、一層の高齢化の急速な進行などにより扶助費が引き続き増大する傾向にあり、また、公債費も引き続き高水準で推移することが見込まれていることから、今後とも厳しい財政状況が続くものと見込まれております。
これにより、平成31年度予算編成においても、持続可能な行財政構造を構築するため、行政改革推進プロジェクトチームにおける検討内容も含め、歳入・歳出両面にわたる行財政改革に取り組み、「新しい力強い鹿児島」の実現に向けた予算編成が行われたところであります。
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