更新日:2020年9月9日
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乳児に対する心肺蘇生法
1.反応があるか確かめる
左図のように足の裏を刺激しながら呼びかけます。
反応が無いようであれば次に進みます。
2.助けを呼ぶ
左図のように呼びかけに対し反応が無いと言う事は緊急性が高いと考えられます。大きな声で周囲の人に助けを求めましょう。駆けつけてくれた協力者に対し、眼を見て「119番通報してください」「AEDがあれば持って来てください」と具体的に頼みましょう。
協力者が居ない場合は、まず119へ通報を行い、すぐに近くのAEDがある場合は取りに行くようにしてください。
3.呼吸をしているか確認する。
左図のように胸、お腹の動きが普段と変わらないか10秒以内でしっかり観察しましょう。正常な呼吸が無ければ心臓も止まっていると判断し、すぐに心肺蘇生法に移ります。
胸、お腹が動いていないが鼻がピクピク動いている、しゃくりあげるように顎を動かしている状態(死戦期呼吸)は呼吸をしていませんので注意してください。
4.心肺蘇生法
呼吸が無いのを確認したら、急いで心肺蘇生法を行ってください。
心肺蘇生法は胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を繰り返します。
胸骨圧迫30回
- 圧迫位置:両乳頭を結ぶ線と中心線の交わる少し足側となっています。(写真1参照)
- 圧迫方法:指2本(中指、薬指)で行います。(写真2参照)
- 圧迫する強さ:胸の厚さの約3分の1が沈む程度しっかり押し込んでください。
- 圧迫リズム:1分間に100~120回で行います。
写真1 写真2
人工呼吸2回
気道を確保するため、頭部後屈あご先拳上法を行います。
あご先に指を当て、軽くあごが上がる程度持ち上げます。(写真参照)
吹き込みは口と鼻を救助者の口で覆い、胸が軽く上がるのを確認しながら1秒かけて吹き込みを行います。これを2回繰り返します。
吹き込みはしっかり入っても、入らなくても2回のみ行うようにしてください。
この後は、胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を繰り返し行います。AEDが到着するか、救急隊に引き継ぐまで続けてください。
5.AEDの使用
- AEDが到着したら、電源ボタンを押します。(機種によってはフタを開けると自動で電源が入るものもあります)
- 小児モードがある場合は切り替えを行ってください。(写真1参照)
- AEDの指示に従い、パッドを取り出し、写真2の様にしっかりと密着させて貼り付けてください。(小児用パッドがある際はそちらを使用するようにしてください)
水に濡れている際は、パッドがしっかり密着できず、電気が逃げてしまい有効なエネルギーが心臓に届かない場合があります。パッドを貼るところをタオル等でしっかり拭くようにしてください。
写真1 写真2
- パッド装着後、AEDが心臓の動きを解析し、電気ショックが必要か自動で判断を行います。体が揺れてしまうと間違った判断をしてしまう恐れがあるため、体に触れないように気を付けてください。また周囲の人にも注意するようにしてください。
- 電気ショックが必要な場合は、「充電中です」のアナウンスが流れ、自動で充電を開始します。「電気ショックは不要です」とのアナウンスがあった場合はAEDの指示に従い心肺蘇生法を継続してください。
- 充電終了後、「ピー」という発信音に続き、「ショックボタンを押してください」といったアナウンスがあります。自分の回りの人が離れていることを確認し、点滅しているボタンを押してください。(体が触れていると感電する恐れがあるため十分注意して行って下さい。)
貼ったパッドは剥がさずそのままにしていてください。救急隊も使用します。
6.心肺蘇生法を繰り返す
電気ショック終了後、直ちに胸骨圧迫を開始し、救急隊が到着するまで心肺蘇生法を継続して行って下さい。
2分後に再度、AEDが解析をはじめます。アナウンスに従い行動してください。
救急車が近くに来たら協力者に誘導を依頼してください。
7.救急隊へ引き継ぐ
救急隊が到着したら状況説明をよろしくお願いします。
- 様子がおかしくなった時の状況
- 電気ショックを行った回数
- 家族であれば既往歴