更新日:2025年8月29日
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伝染性紅斑(リンゴ病)について
伝染性紅斑とは
伝染性紅斑とは、ヒトパルボウイルスB19を病原体とし、幼児、学童の小児を中心にみられる流行性の発疹性疾患です。典型例では両頬がリンゴのように赤くなることから、「リンゴ病」と呼ばれることもあります。なお、本疾患の約4分の1は病原体の感染を受けたにもかかわらず、感染症状を発症していない不顕性感染です。
症状
特徴的な症状は、感染後10~20日の潜伏期間を経て出現する両頬の境界鮮明な赤い発疹で、腕や脚部にも網目状・レース様の発疹がみられ、胸腹背部にも発疹が出現することがあります。発疹は1週間前後で消失しますが、一度消えた発疹が短期間のうちに日光や熱(入浴や運動など)により再出現することがあります。
また、感染後約1週間で、約半数にインフルエンザ様症状(倦怠感、発熱、筋肉痛、鼻汁、頭痛など)等を呈することがあります。
基本的には予後良好でありますが、妊婦が感染すると、垂直感染を呈し、流産や死産、胎児水腫を起こすことがあります。他にも、溶結性貧血患者や免疫不全者が感染すると、貧血発作や重症で慢性的な貧血を引き起こしたりする場合があります。
感染経路
主に、「飛沫感染」もしくは「接触感染」により感染します。
治療・予防
特異的な治療法はなく、対症療法が中心となります。
感染者の咳やくしゃみなどのしぶきに触れることにより感染するため、こまめな「手洗い」、咳やくしゃみをする時はハンカチなどで口や鼻をおおうなどの「咳エチケット」を心がけましょう。
また、妊婦の方は、流行時期に感染者との密接な接触を避け、万一感染した場合には、胎児の状態を注意深く観察してください。