更新日:2024年7月29日
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夏の風物詩 ──。
民俗芸能が豊富な鹿児島でも、姶良市の太鼓踊りは夏を代表する郷土芸能です。
太鼓踊りは棒踊りとともに、県内に広く分布する郷土芸能で、特に姶良市の太鼓踊りはきらびやかな飾り付けや華麗な衣装・化粧をして、活発に勇壮に踊る様子が特徴。島津義弘が文禄・慶長の役の凱旋記念として、駿河の念仏踊りを参考に家臣に習得させたといわれています。
一方でそれより古い時代から太鼓踊りが踊られていた記録もあることから、中世から地域に根ざした芸能に、念仏踊りの鉦や朝鮮出兵などの要素が加わり、現在の太鼓に変化してきたものと考えられます。現在、8団体(加治木4、蒲生3、姶良1)の保存会があり、精力的に後継者育成や保存伝承に努めています。
太鼓踊り当日は交通規制が行われますので、ご協力ください。
いでたち
鉦(かね)や太鼓を打ち鳴らし、にぎやかに踊ることで、疫病や災厄を送り出そうとする踊り。先祖の御霊を送るほか、雨乞いや虫追い踊りの意味も持つ。踊り手はカラフルな衣装を着て、白粉・紅などの化粧を施す。ホタ振りという先導者2人を先頭に、鉦打ちと太鼓打ちが雅やかに踊る。
旧蒲生町域ではかつて8つの地区に太鼓踊りが伝承されていましたが、現在は下久徳、北、川東の3地区のみ、旧姶良町域でも重富・平松・船津・触田・帖佐などで踊られていましたが、現在伝承されているのは春花地区のみ。旧加治木町域には4地区(反土・木田・小山田・西別府)に伝承されています。
加治木太鼓踊り大会
8月16日(金曜日)※令和6年度のスケジュールはこちらをご覧ください。
吉左右踊り・太鼓踊り(きそおどり・たいこおどり)
吉左右踊り・太鼓踊りは、加治木町西別府地区のみに伝承しているもので、市内8地域に残る太鼓踊りの中でも唯一県指定文化財になっています。「吉左右(きそ)」とは、「めでたい便りを祝う」という意味で、毎年8月16日に島津義弘を祀った精矛神社などに奉納されます。
白・赤装束の踊り手は、朝鮮出兵の際、道に迷った薩摩軍を案内した狐を表しています。文禄・慶長の役をモチーフとしていますが、歌詞には「お互い武器を捨て、平和な世界を築きましょう」とあります。
蒲生太鼓踊り公開
8月21日(水曜日)※令和6年度のスケジュールはこちらをご覧ください。