更新日:2020年6月19日
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クローズアップ
MyHometown"AIRA"
姶良ふるさと大使
OHSAKO JUN-EI |
姶良人スペシャルインタビュー「ヴァイオリニスト ~大迫淳英さん~」 |
九州の魅力を世界へ、
旅を演出する
ヴァイオリニスト。
ななつ星運行2周年記念企画として重富駅に特別下車し、ななつ星の乗務員として母校・重富中学校の吹奏楽部と共演(平成27年11月)。
姶良ふるさと大使の大迫淳英さん。東京と福岡を拠点にコンサートや一流音楽家のマネジメントなどを手掛ける経営者である一方、平成25年10月から運行がはじまったクルーズトレイン(豪華観光寝台列車)ななつ星 in 九州の〝演奏〞乗務員でもある。年間200日以上を列車で過ごす異色のヴァイオリニストだ。2017年1月に運行開始後300回の連続乗務を迎えた。
「何の保証もないままフリーのヴァイオリニストとして、レストランなどの演奏で食いつなぐ日々でしたが、徐々に小さな企画を依頼されることが増え、今の会社を創設して、最終的に世界の第一線で活躍するアーティストのマネジメントをはじめました」と20代で起業した大迫さん。音楽を通じて人脈が広がるなか、5年前に懇意にしていた老舗ホテル経営者の新築祝いの席で演奏を披露。そこにJR九州の関係者が偶然居合わせた。ちょうどその当時、まだ「ななつ星」という名もない、″生演奏が聴ける列車″のプロジェクトが水面下で動き出していた。 後日、大迫さんへ列車に適したピアノ選定や演奏者の手配に関する相談依頼がJRから届く。JRへ音楽演出のアイデアや演出プランを提案していくうち、プロジェクトの音楽アドバイザーに迎え入れられた。さらに、運行がはじまると演奏家兼プロデューサーとして乗車し、車内で実際に演奏も担当することになった。
「ななつ星では、演奏をこなすだけでなく、観光案内やエスコートなどのおもてなしも積極的にするよう心掛けています。JRの乗務員としての制服を着ていますので、乗務員として立ち振る舞い、お客様に満足していただく演出を意識しています」と大迫さん。
国内初のクルーズトレインの音楽制作に携わったことがきっかけとなり、今、由布院や五島(長崎)など、九州各県で音楽を通じた地域おこしにも取り組む。 2016 年よりコンサート活動を本格化し、全国コンサートツアー「サウンドクルーズコンサート」を展開。ハリウッド映画「Gehenna」のエンディング曲の演奏なども担当し、映画の世界へも進出している。 熊本地震後は音楽による復興支援活動に尽力し、由布市・由布院温泉観光協会へ曲を寄贈や発売収益の一部寄付、そして熊本地震復興応援曲「ヒゴタイの咲く丘」をプロデュースし音楽を通じた"心の癒し″を追求している。 2017 年には長崎電気軌道のリニューアル車輌 310 号「みなと」(水戸岡鋭治デザイン)や東急電鉄「THE ROYAL EXPRESS」のテーマ曲もプロデュース。伊豆では、コンセプト「美しさ、煌めく 旅。」を制作し、旅の創生を担当。新しい伊豆の魅力を創る活動に取り組んでいる。「九州は世界と互角に勝負できる観光資源を持っています。その魅力を音楽で表現し、九州を旅したくなる音楽活動を続けていきたい」と九州の可能性を語る。
姶良市を通過するななつ星の車窓から、故郷に語りかけるヴァイオリンの旋律が聴こえる。
愛器は世界的ヴァイオリニストであるチョン・キョンファに太鼓判を押されたプレッセンダ(伊/1828年製)
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広報あいらAIRAview平成28年8月15日号抜粋インタビュー |