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なにげない日を、思い出の一日に―。
姶良市立天文台スターランドAIRA

空気が澄んだ北山の空
子ども連れの家族を中心に、友人同士やカップルなどの若者のほか、シニア世代の方々も訪れる「スターランドAIRA」。実はプラネタリウムと大型望遠鏡を有する県内唯一の公開型天文台です。また、施設のある北山は夜間照明などの不要な光の影響が少なく、平地より気温が低いことで観測の妨げになる水蒸気が大気中に少ないため、天体観測に適した場所です。そのため、天の川や望遠鏡で覗く天体をよりはっきり見ることができます。
星も宇宙も身近なもの
旧町時代に、南北に長い地形の旧姶良町では南部に人口が集中し、北部は過疎化が進んでいました。そこで、閉校していた北山中学校を平成3年に北山野外研修センターとして再生。小中学生が豊かな自然環境の中で宿泊学習や野外活動を体験できる場を開設しました。そして「宿泊をしながら星空観察ができる」と相乗効果を期待し、平成5年7月に建設されたのが「スターランドAIRA」でした。星空を通して宇宙を身近に感じ、自分たちの住む地球を顧みる機会をつくることをめざしています。現在、市内の小学校4年生の「星と星座」の授業や小中学生を対象とした集団宿泊学習「AIRAふるさと学寮」での天文教室などにも利用されています。

初館長は“百武(ひゃくたけ)彗星”の百武さん
スターランドAIRA初代館長として就任したのは、二つの彗星(百武彗星)を発見したアマチュア天文家の百武裕司さんです。百武さんは平成6年に福岡から鹿児島に移住し、百武彗星を発見。世界に名を馳せた平成8年に館長として就任しました。自身の経験を織り交ぜた星の話は楽しくユニークで聞く者を魅了しましたが、平成14年に急逝。館内には百武さんの活躍の軌跡が展示され、その意思は現在も職員に受け継がれています。
物語の旅へ誘う星空のメロディー
スターランドAIRAでは、本格的なプラネタリウムを鑑賞できます。番組は季節ごとにスタッフが製作。物語を盛り上げるBGMを作曲し、提供しているのは当時小学生だった鶴窪晏菜さんです。5年生のときに通っている音楽教室の作曲コンサートに向けて星をテーマに制作した曲「星の街」が、春の星空を紹介するプラネタリウム番組に取り入れられたことがきっかけでした。現在、夏の「天の川」、秋の「星月夜」、冬の「きらめく星のかなたに」を作曲し、四季折々の神秘的な星空をイメージした4曲がプラネタリウムを盛り上げています。

ファミリーでもカップルでも楽しめる星の物語。このプラネタリウムを見て、プロポーズして結婚された方もいる。
「触って」感じる宇宙のふしぎ
館内には、太陽系の惑星の重さの違いや月での自分の体重を量れる体重計など、壮大な宇宙の不思議を身近に感じられる体感コーナーが盛りだくさん。また、世界各地で確認された隕石や隕石落下時に地表面などが変質した隕石関係物質なども展示され、宇宙の神秘や自由研究のヒントに出会えるかも。

世界各地の隕石を見学できる。
「作る」「学ぶ」「のんびり」いつもと違う休日を
天体観測や手づくりのロケット工作など、その天体や科学を楽しく学べる観察会や教室を随時開催。宇宙や科学がもっと好きになる様々なイベントを企画しています。
