TOP > ストーリー > 豊かな自然を後世に

ここから本文です。

豊かな自然を後世に

宮田雅生

地域愛と「EM菌」の力で自然をもっと美しく

 昨年1月、自然環境の改善をめざした活動と生涯学習の振興に尽力した功績が高く評価され、姶良・伊佐地区社会教育振興会より表彰を受けた宮田さん。環境にもやさしい乳酸菌、酵母、光合成細菌などの集合体であるEM(有用微生物群)の働きを利用し、各種団体と連携して水質改善や生ごみの減量化などにつなげる活動を続けている。


 宮田さんは小学校の教師を退職後、平成14年から旧蒲生町の社会教育指導員として勤務。高齢者学級や家庭教育学級など、地域の社会教育活動の支援に力を注いでいた。その団体のひとつである「かもう女性の会」と自然環境の改善に取組むなかで、家庭排水が及ぼす水質汚染に着目。「からだが曲がった鮎の姿が衝撃だった」と洗剤などで泡立つ川や水辺に生息する生物の異変を知り、身近な自然環境に危機感を持ったという。同会とともに研修会や先進地の事例を学び、自然界に存在する善玉菌を利用したEMの浄化作用を知る。そのまま捨てると汚染源にもなる米のとぎ汁で培養でき、人体にもやさしいEMの働きに可能性を感じた。
 専門家の指導を仰ぎながら、河川や側溝などに投入する「EM団子」や生ゴミを堆肥化する「EMボカシ」などの研修会を開催。有志団体と協力して環境保全やEMの普及に努め、その活動はテレビや新聞などでも取り上げられた。現在は活動の賛同者からの応援もあり「あいらEM自然の里」を設立。市内を流れる網掛川上流や別府川・思川近郊の小学校を中心に、児童がつくったEM活性液をプールのヘドロや悪臭対策に役立て清掃するなど、体験しながら環境問題を考える出前講座を実施している。


 「孫が嫌いだったニンジンを好きになったんです」とうれしそうに話す宮田さん。生ごみを発酵させた肥料を使い、家庭菜園を楽しむ。ほかにも水まわりや拭き掃除にEMを活用し、家庭でも活躍するEMの力をぜひ試してほしいと語る。「出会いや人とのつながりで続けられてきた」と活動を通じて支えてくれる地域に感謝し、鮎やホタルが見られる豊かな川を子どもたちに残したいとこれからも身近な自然を見守っていく。

イーエム菌

 清掃前のプールにEMを入れる小学生。汚れが落ちやすく、環境にもやさしいと活動が広がる。

ページの先頭へ戻る