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フェアプレーの立役者

厚地

輝く選手をサポートし、試合を支える審判員

 昨年、県内で2人目となるサッカー女子1級審判員に合格した厚地さん。女子1級はJFA(日本サッカー協会)の審判員制度で最上位の1級に次ぐ資格。日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)や社会人・高校生の全国大会などの審判を務めることができる。試験では体力や競技規則のテストのほか、高校男子東京都リーグや関東大学女子リーグなどの審判を務める実技など、1年間かけて3次審査まで行われる。今年9月には、自身初となる日本女子サッカーリーグの試合(佐賀県)で主審を務めた。


 厚地さんがサッカーに興味をもったきっかけは、子どもの頃にテレビで見た日韓ワールドカップ。選手の活躍を観戦し、自分もやりたいと建昌小学校4年生のときに姶良フットボールクラブ(少年団)に入団した。その後、高校生までプレーヤーとしてフィールドを駆けまわった。
 就職活動に向けて、特技を活かした資格でアピールできればと3級審判員を取得。協会やまわりのすすめで2級を受験・昇級し、インターハイや九州リーグなどの大きな大会で経験を重ねた。「選手の必死な姿に泣きそうになることもあります」高校生の全国大会では、卒業を控える3年生の気迫あふれるプレーや観客の白熱する応援に感動。選手と同じフィールドに立てる喜びが審判員を続ける原動力になっている。さらにひとつ上のステージである女子1級審判員への受験を決意。「かごしま国体で笛を吹きたい」と昨年2度目の挑戦で女子1級を手にした。かごしま国体は延期となったが、11月に広島と岡山で開催される日本女子サッカーリーグの審判をはじめ、少しずつ再始動するサッカー界に期待を膨らませる。


 旅行が好きで審判員として全国の会場を巡ることが自分への褒美と笑う厚地さん。各地の審判員や関係者との交流も深まる。「周りのサポートがなければ今の自分はない」職場や家族の温かい応援も活動を支えている。厚地さんは姶良フットボールセンターで開催される試合でも審判員を務め、地域サッカーと審判員の普及に尽力する。「選手が気持ちよく戦える試合にしたい」と選手が全力を出し、観客が感動する試合を脇から支えられるサッカー審判員をめざしている。

試合

 全国に女子1級審判員は約50人。インターハイや各種選手権大会など、県内外で審判員を務める。

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