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ポップなタッチで日常を表現

ツバサさんサムネ

アートで鹿児島を魅せる ―― 。

 「あれ、どこかで見たことある景色。もしかしてあそこに行くのかな」と思わず行先を想像してしまう、そんな私たちがよく見る鹿児島での日常をリアルだけどポップなイラストで表現する本市在住のイラストレーター、ヨシサコツバサさん。『日常とポップ』をテーマにしたツバサさんの作品はX(旧Twitter)やインスタグラムなどのSNSで人気が高い。ただ、積極的には顔を出しておらずどんな人物なのかはベールに包まれている。ポップな作品とは対照に少しミステリアス。今回はそんなツバサさんという人物に迫らせてもらった。
 1992年鹿児島生まれのツバサさん。物心つく前からずっと絵を描いていて、小学生のころ漫画家になりたいと思ったときに本当に絵が好きなんだと気付いた。ただ、絵は大好きだけど進路となると迷いがあった。「絵の道に進むことで大好きな絵が嫌いになるんじゃないか」「自分にはできないんじゃないか」と不安になり結局高校は普通科へ、大学も美術大学ではなく鹿児島大学教育学部美術専修へ進学した。大学を卒業し一般企業に就職。でもやっぱり変わらず絵は大好きで、ずっと描き続けていた。
 就職した当時、鹿児島では出展できるような場所が殆どなかった。少し経ち県外のクリエイターズマーケットというイベントに出展。そこから少しずつ活動の幅を拡げていった。

絵本

 桜島と私たちの日常を描く絵本「わたしとさくらじま」

 転機はコロナ禍に訪れた。鹿児島の風景をメインに描き始めたところSNSで人気がついた。ポップなタッチで描かれる鹿児島のイラストはなかなか外に出れない人々の心をキャッチ。「絵で社会貢献できるんだ」と喜んだ。自身にとっても地元を見直す、好きになるキッカケになった。それからも鹿児島の日常を描き続け、最近では本市にある蔵元の白金酒造とのコラボラベルを手がけるなどさらに精力的に活動を続ける。
 「絵を描くことは仕事でもあるけど一生できる趣味でもある」とイラストについて楽しそうに語るツバサさん。これからも大好きな絵を描きながら楽しく生きていきたいという願いとともに「絵描きとして自身のクオリティを上げて、鹿児島のアート全体を盛り上げていくお手伝いができたら」と夢見るツバサさんの描いていくイラストの先に、明るくポップな未来の鹿児島が見える――そんな気がする。

絵本

 白金酒造の「ビ」生物倶楽部とのコラボラベル。

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