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ゲームの選手に魂を込めて

普段会えないような人と通じえる喜び 。
近年盛り上がりをみせているeスポーツ。「エレクトロニック・スポーツ」の略称で、ゲーム上の対戦のことである。野球やサッカーなどのスポーツと同じようにeスポーツも大会が開催され、プロ選手も活躍している。子どもからお年寄りまで年代を問わず楽しめて、住む場所に関係なくオンラインで参加できる大会が開かれている。まさに誰もが挑戦できる競技。
市内に住む金山琉葵さんはeスポーツの中でも、サッカーの試合をゲームで楽しむ「eフットボール」の全国大会〝eJリーグ〟で4位入賞を果たした。この大会はゲーム上でぞれぞれのプレイヤーが、現実世界のJ1、J2リーグに所属するチームを使用して王者を争う。金山さんはJ2リーグの鹿児島ユナイテッドFCを選び予選に挑んだ。まずは鹿児島ユナイテッドFCを使用する代表を決める戦いを突破しなければならない。予選では各プレイヤーが15試合を戦い、勝ち点の多い上位2人が代表の座をかけて戦う。順調に勝ち進んだ金山さんは代表決定戦で、鹿児島のプロゲーマーの方と対戦。プロを相手に接戦の末、見事勝利し代表の座を掴んだ。

eFootballの全国大会準決勝で相手と対戦する金山さん。
全国大会に進んでからは、eフットボールのテレビゲーム版とモバイル版(スマホアプリ)の代表と共闘でトーナメントに挑む。二人でそれぞれ試合をして、二人の合計得点で勝敗が決まる。タッグを組んだモバイル版の代表プレイヤーは金山さんの2歳下の学生だった。
共に全国トーナメントを勝ち上がり、迎えた準決勝。試合は5月18日に東京で開催された。「準々決勝以降は試合がネット配信されるため、緊張しながらの一戦一戦だった」と振り返る金山さん。得意とするドリブルで相手をかわしてパスをつなぐプレイスタイルで相手に善戦したものの、世界ランキング一位のプレイヤー相手に惜しくも敗退し、ベスト4となった。
eスポーツの魅力を「普段会うことのない人とゲームを通じて出会える。試合中の相手との駆け引きもおもしろい」と話す金山さん。現在はeフットボールの日本代表最終選考会に選出されていて、新たな挑戦に向かっている。eスポーツは国民スポーツ大会の〝文化プログラム〟にもなっていて、金山さんも12月に開催される佐賀国民スポーツ大会への出場もめざしている。eスポーツで高みをめざす金山さんの今後の活躍に期待が高まる。

全国大会4位入賞を果たした後、インタビューを受ける様子(写真左端)。