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めざすは日本代表選手

20241015國藤さん

“野球にしかないおもしろさがある ―― 。”

 9月23日、東京ドームで「高校野球女子選抜 VS イチロー選抜KOBE CHIBEN」が開催された。今年で4回目となるこの一戦では女子高校野球の全国選抜チームと球界レジェンドのイチロー選手率いるチームが激突。KOBE CHIBENには松坂大輔選手が所属し、今年は松井秀喜選手が初参戦すると話題になった ―― 。神村学園の女子野球部に所属する國藤亜樹さんはこの試合に出場し、ピッチャーのイチロー選手からレフト前へきれいな流し打ちを放った。試合を終えて「今回の経験は、自分にとって全てが最高の宝物になりました」と大舞台の感動を振り返る。
 國藤さんが野球を始めたのは小学3年生の頃。3学年上の兄が少年団で野球をする姿に憧れ、兄と同じチームに入り白球を追いかける日々をスタートさせた。打つ・走る・守るといったプレーそれぞれに魅力がある野球の奥深さにどんどん惹かれ、夢中になって練習に取り組んだ。小学6年生のときにはキャプテンとしてチームを引っ張った。中学生になると帖佐中学校の野球部に入部。ポジションはセカンドを守り、チームの勝利に貢献。「体力やスピードで男子との差はあっても人一倍練習し、知識をつけ頭を使ってプレーするよう意識してきた」と野球に対してとにかくひたむき。うまくいかず壁にぶつかることはもちろんあったが「野球をやめたときの自分が想像できなかった」と逆境も乗り越えてきた。その中でも成果が出せずに落ち込んだときは、野球好きの父をはじめとする家族や野球部の仲間たちの存在や交流が心の支えとなったという。

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 9月23日の試合でイチロー選手と3塁ベース上で言葉を交わす國藤さん。

 高校は神村学園に野球部の特待生として進学し、寮生活をしながら野球に打ち込む。毎日4時間以上もの練習を重ね、基礎練習や実践形式でスキルを磨いた。守備練習では「バッターのスイングの仕方で打球の強さや方向が変わってくるので、クセを見抜く力をつけるようにしている」と観察力の強化を図る。それを活かして試合ではショートのポジションで守備力を存分に発揮してきた。徐々に頭角を現し、3年生からはキャプテンとしてチームを牽引。今年6月にあった読売ジャイアンツ女子プロチームとの試合では4打数3安打の大活躍で、プロを相手に4対3で勝利を収めた。
 「将来は日本代表の選手になって野球の楽しさをもっと広めていきたい」と弾けるような笑顔で話す彼女の今後の活躍に期待が高まる。

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 帖佐中学校野球部時代の試合でのバッティングの姿。

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