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いにしえから未来への架け橋
大人から子どもへ、過去から未来へ繋ぐ ―― 。
「歴史には人が生きてきた跡が残っている。そこにはロマンがある」歴史の魅力についてそう語るのは姶良歴史ボランティア協会の会長を務める宮内伸一さん。本市には日本一の巨樹として有名な蒲生の大クスや大河ドラマのロケ地にもなった龍門司坂などの歴史豊かな風土を物語る文化財・史跡が各所に数多く残り、国・県・市指定(登録含む)文化財の数は207件と県内市町村で最多を誇る。そんな本市で歴史を紡ぎ未来へ繋ぐ方々がいる。それが姶良歴史ボランティア協会である。
姶良歴史ボランティア協会は平成19年に発足したボランティア団体で、現在14名の会員で活動している。元々は歴史民俗資料館の支援のために発足した本協会だが、現在は歴史民俗資料館の展示解説や体験活動の協力のほかにも、市内の史跡ガイドや史跡などの巡回点検・清掃活動、市内小中学校の総合的学習の支援・社会科見学のコース設定の相談を受けるなど活動の幅を広げている。本協会が行う史跡ガイドは一般的な観光ガイドとは異なり、歴史・文化財により深い見識を持ってガイドにあたる。そのため自主的な勉強会を毎月行ったり、他の市町村の史跡・文化財を訪問するなどの視察研修も行ったりして積極的に自己研鑽に努める。
秋の史跡巡り「竜ヶ城を歩く」の様子。定期的に史跡巡りを開催。
宮内さんが歴史ボランティア協会の会員になったのは平成25年のこと。元々小学校の教員だった宮内さんは退職後、本協会のことを知り、歴史民俗資料館のボランティア養成講座を受講して協会の会員となった。当初はガイドするにも史跡の場所が分からなかったり史跡についても一から調べないといけなかったりと苦労したが、調べれば調べるほど新しい発見がある歴史の魅力を改めて実感した。
令和4年に会長職に就任。今特に想うのは子どもたちのこと。ガイドブックや史跡めぐりなど現在は大人向けのものが多いが、今後は子ども向けのものを作ったり子ども向けの企画を開催したりしていきたいと語る。今年の夏休み期間中は歴史民俗資料館で9月1日まで子ども向け企画展「のぞいてみよう わくわく縄文ランド」が開催されている。11月には歴史と自然がコラボした史跡めぐりのイベントを計画している。「姶良市の子どもたちに地元の歴史についてもっと知ってもらい、好きになって、誇りを持って育っていってほしい。」と、歴史や文化だけでなく、ふるさとを愛する心も後世に伝えていく。
姶良市の偉人にゆかりのある史跡を研修視察として訪問。見識を広げる。