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夢を持つ選手と共に“走る”

広報あいら255号姶良人

陸上を通して挑戦し続ける心を育みたい。

 日曜日のまだ薄暗い朝5時半頃、蒲生小学校の校庭で危険な箇所や地面の凹凸などがないか確認しながらトンボで土をならす一人の姿。「蒲生スピードランナーズ」の監督をつとめる上祐一郎さんは朝6時からの練習に備えて、だれよりも早くグラウンドに入り環境を整える。
 蒲生スピードランナーズは主に中長距離走のレベルアップをめざすクラブチームで、4歳児から大人まで幅広い世代の部員が所属している。水曜日の午後5時半~と土・日曜日の午前6時~の週3回、約2時間の練習時間で選手たちは汗を流す。
 上さんが発起人となって同チームを立ち上げたのは2007年11月のこと。「蒲生で陸上のチームをつくりたい」と、ある方が蒲生町の教育委員会に相談をしたことから物語が動き出す。そこから教育委員会が監督の話をもちかけたのは、たまたま、ご縁があった上さんだった。「陸上がしたい人のために力になりたい」と依頼を快諾した当時を振り返る。上さん自身は県の高校総体1500メートル走で優勝に輝くほどの実力者。小学5年のときに地元の陸上記録会で1位になってから陸上にのめりこんでいった。「大会でもトレーニングでも自分自身との勝負から始まる。他人との勝敗だけではなく、個人の記録を1秒でも縮めることができれば自分自身を高められた証になる」と陸上の魅力について話す。

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選手の動きを間近でチェックし、パフォーマンスの向上につなげる。

創部当初は6人のメンバーでのスタートだったが、16年が経過した現在は90人ほどに増えた。他の競技と掛け持ちで加入している選手も多く「プロサッカー選手になりたい」「プロテニス選手をめざしたい」など参加者の目標は様々。数年前までは陸上競技のトップ選手の育成に特化して指導していたが、今では各スポーツのトップアスリートの育成にも力を注いでいる。トレーニング前の動きづくりに時間をかけ関節の動かし方、力の入れ方などをじっくりと習得させる。球技系選手に必要なダッシュ力やジャンプ力を磨き、身体を上手くコントロールできるよう器械運動を取り入れることもしばしば。選手の動きを細かくチェックし、ときには選手と並走しながら指導する場面もある。 
 長年続ける指導の原動力となるのは「夢を持って加入してくる選手の力になりたい」というひたむきな想い。「選手のために自分も挑戦を続けたい」と語る上さんは、選手の未来のため今日も指導に一層熱を入れる。

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それぞれの目標を持ち、年齢関係なくみんなで楽しく身体を動かす。

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