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地域に根ざして住民の健康を守る

20230515姶良人サムネ

北山の方々が元気に過ごせること、それが一番のやりがい。

 地域の方たちに不安なく笑顔で過ごしてほしい――。そんな純真な思いを原動力に北山校区で”コミュニティナース”として活躍する山下えりかさん。コミュニティナースとは、地域に溶け込みコミュニティづくりへの貢献や健康面でのアドバイスをする、住民の暮らしの身近な存在である。
 高校の看護学科を卒業後、病院に勤務し看護師としての経験を重ねていた山下さん。その中で新たな考えが芽生えるきっかけとなる出来事があった。ある男性患者さんが亡くなられた際「たくさん幸せをくれたのに連れて帰れなくてごめんね。もっと早く気づけばよかった」と言葉をかける奥様の姿。普段の生活から一人ひとりの健康状態を見ることの重要性に気付かされた。さらに山下さんの心を大きく動かしたのが「コミュニティナース(矢田明子著)」という一冊の本との出会いだった。著者が実践してきた取り組みに触れ、看護への考え方が覆えるような衝撃だったという。「自分もこんな活動をしたい」と気持ちが芽吹き、その思いはどんどん加速していった。ちょうどその頃に北山診療所の求人を発見。自然豊かな場所で地域に根差し住民の日常生活から関わりたいと思い、すぐに一歩を踏み出した。診療所では医師の住民に対する生活への寄り添い方、考え方を学びながら、北山への愛着も深めていった。「地域の人が財産だと思えるほどに温かい地域。道行く人が顔見知りで、地域でのびのびと子育てできる場所」と笑顔の山下さん。診療所での勤務を経て、病院や診療所、訪問看護よりもさらに住民と近いところで”病気になる前”から住民と関わりを持てるコミュニティナースとしての活動をはじめた。「病院などに所属していないからこそ自由に動ける。さらに、日常生活に近いところで健康な人を含め全ての人と関わることができる」とコミュニティナースの可能性も見えてきた。地域のサロンに参加した際に偶然、怪我の相談を受けた。状態を見るとすぐに処置が必要だと看護師の経験から判断。診察を勧め、診療所で処置をしてもらった後に家族へ連絡した。その後、病院受診につながった。地域の身近な場面での気づきが大事だと実感した。北山は救急車の到着が15分以上かかるため、普段の生活から顔色を見たり声をかけたりといった目配りが特に大切だという。
 「地域の方の不安がなくなり、”ありがとう”と言う笑顔を見られることが一番のやりがい」と山下さん。地域の方々の健康と笑顔を守るために歩みを続ける。

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山下さんにコミュニティナースをめざすきっかけをくれた一冊の本「コミュニティナース(矢田明子著)」。

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山下さん主催の地域でのお茶会。楽しく話をしながら地域の人の健康状態を見守る。

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