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日常のBGMを電波に乗せて

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会えなくても、あなたに合った声で言葉を届ける。

 小学5年の夏休み。ひとり部屋で過ごす寂しさを紛らわせるために初めてラジオをつけた。流れてきたのはリクエスト型の番組で、少年は何気なくはがきを出してみた。すると、その翌週の同番組で紹介。嬉しいような、恥ずかしいような、ラジオの向こう側とリンクしたような感覚に胸が躍った。気づけば音の世界に夢中になり、いつしかラジオの中の人になりたい――そう願うようになった。
 エフエム鹿児島の今末真人さん(本市出身)はチャームポイントの明るい声と軽快なトークで人気を集めるラジオパーソナリティだ。昨年度までは4年間にわたって月曜日から金曜日のお昼約1時間半の番組「アンテナ@beat‼〜ピピピ♪〜」を担当。ときにはスタジオを飛び出して、ときにはゲストを迎え、ふるさと鹿児島の様々な情報を発信してきた。「価値観が多様化しているので、一つひとつの言葉選びは特に大切にしています。世界をより鮮明に届ける表現の選択肢は広げていきたい」と今末さん。声だけで状況や行動、心情を正確に伝えるため、オフの日であっても自らの体験や感動を表現の語彙につなげるインプット作業に余念がない。
 アナウンサーデビューは大学時代。放送研究会に所属し、四国アイランドリーグ(プロ野球独立リーグ)の愛媛マンダリンパイレーツのボランティアMCを務め会場を沸かせていた。「当時は、野球という競技に詳しくなかったので日々勉強でしたが、球団スタッフのおかげで貴重な経験を積むことができました」と話し手としてのルーツを語る今末さん。前職であるエフエム徳島時代にもプロとして徳島インディゴソックスのスタジアムDJを任され足掛け7年、アナウンスの腕に磨きをかけた。「エフエム鹿児島への入社もありがたいご縁でした」と控えめに話すものの、入社と同時にスタートした番組では卓越したトーク技術にリスナーからの反響も大きく「いつも楽しみに聞いてます」などの声も多く寄せられた。
 現在はパーソナリティだけでなく、ディレクターとして番組の企画、現場での取材・演出、音源の収録・編集まで手がける今末さん。「目立たなくてもいいけど、ないと寂しいような、生活に溶け込んだ存在でありたいです」と常にスタンスはリスナー寄り。「諦め方を知らなかったんでしょうね」と、少年の頃夢見た、ラジオの中の人になった今。顔の見えない誰かに寄り添うメッセージを電波に乗せて届ける。

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 ラジオパーソナリティの傍ら、姶良ふるさと大使を務める今末さん。姶良市制10周年とμFMエフエム鹿児島の姶良中継局(81.4MHz)開局20周年の節目の年には、姶良市特番「Amore!AIRA」を企画。姶良の人、物、場所、歴史など内容たっぷりに放送した(写真は市の商工観光課がゲストインしたときの様子)。万が一の時のラジオの役割は大きいと、前職のエフエム徳島時代に防災士の資格を取得。専門的な知識を交え、防災番組などでも能力を発揮している。

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 アンテナ@beat‼〜ピピピ♪〜は局史上初、単独MCでの月~金曜日の帯番組。一躍、昼の顔に。

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