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襷をつなぎ、想いを託す

姶良人NO.105

“走ることが好き”その一心で駆け抜けた日々

 68回の歴史を誇る鹿児島県下一周市郡対抗駅伝競走大会(県下一周駅伝)。県内全12地区の代表選手が襷をつなぎ、53区間584㎞の道のりを郷土の誇りを胸に駆け抜ける。この伝統あるレースのスタートラインに立てるのは各チームわずか21人。高校生から社会人までのランナーの中から、熾烈な選考会を通過した者だけがチームの代表として走ることが許される。今年、岩﨑さんは昨年に引き続き二度目の出走メンバー入りを決めた。
 岩﨑さんと陸上競技の出会いは中学1年の春。「なんだか面白そう」と直感的に陸上部への入部を決めてから約6年、走ることの面白さに魅せられ、毎日走り続けている。練習をした分だけ記録に現れることが長距離走の魅力と話す岩﨑さん。「今の自分に足りていないのは何か――。常に自分に合った努力を心がけています」と日々の練習を振り返る。岩﨑さんの駅伝デビューは中学1年。しかし当時はなかなか結果を出すことができず悔しい思いをした。そのような中、中学最後の県大会につながる姶良地区大会で本命の800メートル走の傍らで出場した1500メートル走で思いがけず優勝。「もっと努力すれば長い距離でも戦えるのではないか。」岩﨑さんの中で可能性が広がった瞬間だった。
 鹿児島高校に進学後は迷わず駅伝部に入部。「打倒強豪」を目標に掲げ、仲間と日々練習に励んだ。チームも最近では県大会で上位に名を連ねるようになり、「自分たちが結果を出すことで後輩たちにもっと良い環境で戦ってほしい」と後輩たちに同部のさらなる活躍を期待する。その一方、個人としてはこの1年はケガの連続だった。前向きになれず苦しい日々を過ごしたが、必死にリハビリに取り組んだ。突き動かしたのは「走ることが好き」という強い想い。高校駅伝部として最後の大会では同部最高の5位に入ったが、「まだまだ上をめざせたはず」と悔しさが残る。
 高校で陸上競技からの引退を決めている岩﨑さんにとって最後のレースとなる大会が目前に迫っている。それが今月19〜23日に開催予定の県下一周駅伝だ。「個人種目のトラック競技と異なり仲間と一本の襷をつなぐ駅伝は、ゴールした時の喜びも倍増」と岩﨑さん。有終の美を飾る走りとなるように「自分らしい走りをしたい」と意気込みも十分。岩﨑さんの魂の走りに注目だ。
 

ランニングシューズ

 愛用しているランニングシューズ。大切な相棒とも言えるシューズを長く使うため、手入れを怠らない。

大会の様子

 駅伝部の仲間との駅伝ラストラン。区間5位の粘りの走りでチーム最高順位に貢献。

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