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故郷のために巧む、こだわる。

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国産きくらげ「黒宝石」

最近「黒宝石(こくほうせき)」と呼ばれる乾燥きくらげが販売店舗や購入者のSNSで話題を呼んでいる。国産の菌床を使用し完全無農薬で育てたきくらげは、何といってもそのコリコリした食感がたまらない。食材としての魅力は料理研究家のお墨付き。今年10月からは本市のふるさと納税の返礼品としても登録され、全国の消費者へ届けられている。今後ますます脚光を浴びることが期待されるこの乾燥きくらげを生産するのは村田昌平さん。なんと建設会社の代表取締役だ。
「本業の建設現場でもそうですけど、お客さんの喜ぶ顔がなによりうれしいですね――。」村田さんは仕事で訪れた農業技術や製品の展示会で輸入に依存する農産物の実状に触れ、なかでも市場に出回るきくらげのうち国産がわずか3パーセントということに衝撃を受けた。「地産品の魅力を高めて安全・安心な農作物を届けたい」と就農を決意。農業の担い手不足や耕作放棄地の問題にも目を向け、建設業と農業が相互に利点を発揮できないかについても模索。建設した太陽光発電のパネルの下で直射日光を好まない野菜を栽培するソーラーシェアリングと呼ばれる農法で現在ではフキやミョウガなども栽培している。

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気さくな笑顔が印象的な行動力のあるアイデアマン。市商工会の青年部長なども歴任し令和元年からは村田造園建設の代表取締役に着任。同時期にはじめた農業では屋号を名前のイニシャル「M」を使い「エムカラ」と命名。村田さんの手から姶良市に、姶良市から全国に、そして世界に――。と広がる夢への想いを込めた。

挑戦を楽しむ

村田さんの行動力はプライベートでも発揮されている。「子どもたちに楽しい思い出を残してあげたい」とコロナ禍で中止を余儀なくされた行事も多い中、コロナ禍だからこそと、夏休みの学校を利用して子どもたちと校庭に無病息災を願い地上絵を描くイベントを企画。PTAやおやじの会の仲間に相談したところ「いいね!」と三船、建昌、松原なぎさの3小学校で実施することに。児童が実際に描いた絵を測量の技術を用いて校庭サイズに拡げ、ドローンを飛ばしてその出来栄えも楽しんだ。「やりたいという思いに賛同してくれる協力者がいることは僕の大きな武器です」とほほ笑む。
行動のスケールが大きいため、その実行力や決断力が目を引くが、実際は試行錯誤と研究を緻密に積み重ねる村田さん。仕事に精通する勉強会などにも積極的に参加し、情報収集や人材のネットワークづくりに努めている。「たくさんの人とふるさと姶良を盛り上げていきたい。街にあふれる笑顔のきっかけを作れたらいいなと思います」と村田さん。頭の中のアイデアをかたちに変える今後のチャレンジが実に楽しみだ。

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地上絵の催しはコロナ禍だから出たアイデア。子どもも大人も夏休みの思い出に。

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