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龍門司焼企業組合「300年の伝統 龍門司焼」

左奥

見て、触れて感じる器の表情

囲炉裏のある広い土間の工房で陶工たちがろくろを回す。300年以上の歴史をもち鹿児島の伝統工芸としても広く知られる「龍門司焼」。作品の命ともいえる釉薬(色彩)で表現される焼物は多種多彩で、深みのある黒と青が美しい「黒釉青流し」や鮮やかな色調の「三彩釉」、見た目やさわり心地の珍しい「鮫肌釉」や「蛇蝎釉」など古くから薩摩の民芸品として愛されている。

囲炉裏

陶工たちがつむぐ薩摩の伝統

龍門司焼企業組合は第二次世界大戦中休止していた龍門司焼を復活させるため昭和23年に陶工たちが集結し設立。「薩摩の伝統を日常の食卓に届けたい」と川原理事長含め現在3人の陶工が作品づくりに取り組んでいる。

じょか

器づくりは素材集めから

「天然の素材を活かす製法を守るのも自分たちの役目」と粘土や釉薬の原料は代々受け継がれている地元の山中や田畑で調達。整備されていない険しい道を進み陶工たちが自ら採取し、長い時間と手間をかけて乾燥や精製、調合を繰り返す。

時代にあわせたものづくり

龍門司焼の魅力のひとつである均整の取れた滑らかで美しい形はろくろで一つひとつ丁寧に表現する。「朝晩使う食器は使いやすいものでないといけない」と伝統を守りながらも時代のニーズに合わせた機能性を探る。美術館や博物館などでも膨らむ感性を自らの作品と重ね、伝統と融合させることもあるのだという。

正面

人を想い土と向き合う

仕上げの火入れは約1230℃まで温度を上げる。薪をくべる作業が一晩中続き、実に4t車1台分の薪が使われる。「イメージを実際の形にするのが醍醐味」と川原さん。日常の生活に寄り添う使いやすさと惹きこまれるような上品な色彩に愛好者は多く贈答用としても人気。「使う人が喜ぶ龍門司焼を継承していきたい」と真摯に土と向き合う。

窯元の情報

所在地

姶良市加治木町小山田5940

電話番号

62-2549

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