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宋艸窯「鎬(しのぎ)の器」

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個性豊かな使いやすい器

家庭の食器棚には数多くの器が並んでいるが決まって食卓で使う食器がないだろうか―。宋艸窯は無意識に手にとってしまうような使いやすい器を手がける窯元。「自分が使いたい、ほしいと思う器をつくりたい」と窯主の竹之内さん。土の質感を大切にした器は、手になじむように納まりがよく見た目に比べずっと軽い。同窯の特徴は器の表面を削ることで生まれる凹凸のしま模様「鎬」の装飾。器の縁に鎬をあしらい立体感と温かみをもたせる。色使いはシンプルに単色。器に表情をつけ土を生かす造形美を追求する。形の微妙な違いや深みのある釉薬の濃淡は手仕事でのみ生まれ、同じ平皿であってもそれぞれ個性的で魅力がある。

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「自由」から生まれる造形美

土と向き合い自分の好みに合わせ形にする竹之内さん。製作中は盛り付ける料理や器を使うシチュエーションをあえてイメージしない。固定観念にとらわれない自由な造形は使い手に思いのまま使ってほしいと話す。
幼い頃からものづくりが好きだった竹之内さんは大学で金属工芸のひとつである鋳金を専攻し、彫刻家のアシスタントなどの仕事に就いた。陶芸の道に足を踏み入れたのは32歳の時。近代陶芸の巨匠、川喜田半泥子の展覧会がきっかけだった。「自然の産物に美を見出す作品に心を打たれた」と当時を振り返る。

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器と歩む

宋艸窯は創業して約50年。薩摩焼のような古い歴史はないが豊かな感性と確かな技術が評価され東京など県外のセレクトショップに並ぶ。県内では平松のアトリエのほかマルヤガーデンズ(鹿児島市)でも展示・販売中。根強いファンが多い。

お店の情報

所在地

姶良市平松5922番地

電話番号

0995-65-0614

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