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種子田01

誰もが憩う「居場所」をつくりたいもっと気軽に頼り合える社会へ

 重富校区で築百十年の古民家を利用した親子カフェ「Kids Cafe & Bar LINK」を経営する種子田さん。オムツ替えスペースや子ども用トイレ、離乳食など、子育て世代の目線に立った憩いの店として連日賑わっている。また、起業をめざす人のチャレンジショップの場になればとエステやネイルサロン、ハンドメイド作家の作品なども店内で紹介。地域のいきいきサロンや会合にも使われ、人の輪をつなぐ取り組みも注目されている。
 昨年11月には市社会福祉協議会や地域の協力のもと「あさごはん食堂とみんなの居場所shigetomi」を責善公民館(重富小学校側)に開設。食堂は地域や企業からの食材や食品の寄附などを活用し、子どもに無料で朝食を提供(大人寄附制、予約不要)。県内45の食堂でつくる「かごしまこども食堂・地域食堂ネットワーク」から県内第1号となる応援金の贈呈も受けた。子どもから高齢者まで幅広い交流と子育て世帯と地域をつなぐ場としても期待される。「同じ活動が増えればうれしい」と今後は子ども食堂をはじめたい人へのサポートや食育の講座なども計画している。


 種子田さんは牧園町出身で高校卒業後に福岡の大学に進学。福岡で7年過ごし、出産を機に帰郷した。その後、姶良市の企業に就職し移住を決意。暮らしや仕事にも慣れてきたころ「このままの生き方が自分にとってベストなのか」と自問自答していた。そんな中、当時勤めていた職場は女性が多く休憩時間は家事や子育ての話をよく耳にした。日々の家事や育児、仕事に追われ、家庭や夫婦のあり方など、悩みを一人で背負い他人に頼れない女性が多いことを痛感。自分にできることはないかと想いは募り「親子が憩える居場所をつくりたい」と起業のきっかけとなった。県外の先進的な親子カフェにも足を運び、親子が気軽に過ごせる店をめざした。「ここまで寄り添ってくれる店はない」と常連客も増え、口コミやSNSなどで話題になり、市外から訪れるファンも多い。


 「人と人がつながる大切さを再確認できた」と種子田さんは県主催の「地域づくりプロデューサー養成講座」を受講。まちづくりの企画や活動を円滑に促進する技術(ファシリテーションなど)を学び、いろいろな人や世代が交流できる場の創出を更なる目標にしている。講座受講生で立ち上げた「あいら未来会議」は毎月一回集まり、あさごはん食堂をはじめ、地域や多世代の交流イベントなどのまちづくりに取り組んでいる。
 「身近なところにこそ感謝を忘れず、挑戦していきたい」と家族やスタッフ、仲間たちの支えが原動力と種子田さん。現在は日常生活での困り事や家事の支援など、頼り合える活動を思案する。店名にある「LINK」は「つながる」の意味で「ひとりでがんばりすぎない。頼り合える社会にしたい」とつながる縁を大切に、これからもひとの居場所づくりに力を注ぐ。

フォト教室

 親子カフェでは、ベビーフォト撮影や親子ヨガなど、さまざまな催しを開催している。

プレゼン

 鹿児島の未来を語り交流する「鹿児島未来170人会議」ではプレゼンターとして参加。地域づくり研修などの講師も務める。

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