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陽だまりのようなひとときを

hanahana

読み聞かせで届ける絵本の魅力と憩いの空間

 昨年、結成20周年を迎えたかもう親子読書会「*Hana Hana*」。児童文学作家の椋鳩十氏が提唱した「母と子の20分間読書」を昭和37年から取組んでいる蒲生小学校親子読書会の活動を引き継ぎ、子どもたちに絵本や読書の楽しさを読み聞かせで伝えている。
 「先輩ママさんから声がかかり、同級生の子をもつママ友同士でチャレンジしました」と話す会員の藤谷さん。しばらく休止していた蒲生小親子読書会を平成11年に再結成し、だれでも参加できるようにと蒲生町親子読書会と改名した。その後、結成10周年の節目に親しみやすいようにと現在の名前に。蒲生地区の幼稚園や小中学校を中心にはじまった活動だが、現在は姶良市内や鹿児島市、霧島市の幼稚園や小学校からも依頼を受け、活躍の場を広げている。


 読み聞かせに使用する絵本の選定は、それぞれの会員が季節や年中行事をテーマにしたもの、家族や友だちの大切さを題材にしたものなどを参加者の年齢に合わせて選ぶ。手づくりの人形や小道具で趣向を凝らし、絵本の魅力を演出している。人気の演目である「おおくすと大蛇」は蒲生の大楠にまつわる伝説を絵本化したもので、ハナハナはその制作プロジェクトにも参加。読み聞かせの際は、臨場感をだすために太鼓や笛を演奏し、子どもたちはより一層物語の世界に引き込まれる。ほかにも市の家庭教育フェスティバルや子育て支援サークルなどで親子を対象に読み聞かせ会を実施。絵本のページをめくる紙の音や温もりのあるひとの声を直接耳に伝えることで、物語といっしょに心が癒される空間になればと願う。


 「まちで子どもたちに声をかけられるとうれしい」藤谷さんは活動を通した人とのつながりが元気をくれると語る。読み聞かせ会の準備をしながら日常の出来事や悩みなど、お茶を囲んだ情報交換も会員の楽しみ。また、高齢者学級にも足を運び、昔話や戦争を背景にした絵本などを紹介。人生の先輩と昔を回想した話で盛り上がり、交流が深まっている。「ホッとできる時間を届けたい」と絵本でつながる交流を大切にし、これからも読み聞かせ会場に笑顔のHanaを咲かせたいと想いは広がる。

読み聞かせ

 楽器の演奏やエプロンシアターなど、演目ごとに楽しい仕掛けを盛り込んだ読み聞かせ会。(山田小)

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