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映像の力・可能性、その先へ

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映画を通して人の心を豊かにしたい。

今年2月、文部科学省選定映画に選ばれた「郷」。プロデューサーとして映画を制作したのは、レシアニー&コー合同会社(脇元)の代表を務める、小川夏果さん。プロデューサー以外の顔も併せもち、俳優や映像制作などマルチに活躍している。
 高校・大学時代に学業の傍ら、モデルとしての活動に打ち込んだ。小川さんの歩みを大きく動かしたのは18歳の時の出来事だった…。とあるアクシデントにより大けがを負い、長い入院生活を余儀なくされた。ひどく落ち込んでいた時に担当医師のはからいで、当時ファンだったサッカー選手からのサインが手元に届く。会ったこともない「テレビの中の人」だったが、不思議なほどに喜びと活力が湧きあがった。「私もだれかに力を与えられる人になりたい」そんな思いが芽生えた瞬間だった。
 大学を卒業し2年間銀行員として勤めた後、抱いた思いを体現するため芸能界入り。タイミングよく、学生時代にお世話になった業界人からオーディションの話が舞い込み、迷うことなく挑戦。「チョウヤ梅ッシュ」のテレビCMでデビューを果たし、そのやりがいに胸が躍った。このCM出演を皮切りに、映画・ドラマ・舞台など国内外問わず数々のエンターテインメントで幅広く活動。しかし、小川さんの挑戦はそこで留まらなかった。「もっと芸能の幅を広げたい」と中国にある芸能の名門大学 北京電影学院に入学。俳優業のスキルを高めつつ、映画や映像の制作を学んだ。学友からもらった「プロデューサー向いているよ」という言葉を契機に「制作側」へ強い関心を抱き、プロデューサーとしても歩み始めた。
 同大学へ在学中に出会った学友の伊地知拓郎さんと方向性や映像にかける思いが一致していたことから意気投合。

大学のカリキュラム修了後に帰国して姶良で映像制作会社を立ち上げた。伊地知さんと二人三脚で映画制作をスタート。鹿児島が舞台の映画「郷」は重富海岸や中津野の田園風景、加治木中学校もロケ地に含まれている。かごしまの魅力をまるごと味わえる同作品を延べ3年間の歳月をかけて完成させた。制作への原動力となったのは「映画を通して人の心を豊かにしたい」という純真な思い。「映画に限らず、ほんの5秒や10秒の映像でも人に元気や感動を与えられる。この力をエンタメだけではなく、教育、地域活性化などあらゆる分野で活用したい」と未来への展望を見据える小川さん。彼女の飽くなき挑戦はまだまだ続く。

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 ドラマ・映画・ドキュメンタリーなどの撮影は現場に足を運び指揮をとる。

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