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生徒の未来を切り拓くサポート

広報あいら253姶良人

子どもたちの多様性、可能性をここで引き出す。

進学や就職など多様な目的を持つ子どもたちが通う「並木学院高等学校 姶良学習支援センター」。開校当時から6年間、同校を支えるのはセンター長の池田裕兒さん。「子どもたち一人ひとりの学ぶ力を引き出して、社会に出るための手助けをしたい」その思いで、これまで子どもたちのために全力を注いできた 。
 池田さんは大学卒業後、学校法人 英数学館に就職。数学教師として教壇に立ち、兵庫や広島など同法人が持つ数々の関連校で生徒と向き合ってきた。その傍らで、県立高校で柔道部の顧問としても生徒らと汗を流した。49歳まで教鞭を執り、その後は65歳まで校長として学校の舵を取った。定年退職目前で、姶良に新設する学長のポストの打診があった。「まさか地元に戻って教育に携わることになるとは…」と当時の心境を振り返る。「地元に貢献したい」と提案に快諾し、センター長としての歩みをスタートした。

「平成29年の開校当初、生徒はたった2人だったんです」と定時制高校しかなかった姶良の地でのスタートをふり返る。通信制という独自性のある教育形態が多くの子どもたちの受け皿となりうると信じ、個々の多様性を尊重する校風を築いた。通信制高校だからこそ実現できる学びの形は生徒自身の時間を確保したり、自分のペースで勉学に励んだりすることができる。通信制高校と同様の単位制を敷きつつ、週2回のスクーリングを設け生徒の社会性を磨く。生徒同士、生徒と教諭との関わりを深めるため、バーベキューや球技大会など勉学以外の時間でもコミュニケーションを取った。「同校の学びの環境を必要としている子どもがいるかもしれない」そんな思いで多くの学校を訪問し、一人でも多くの子どもに知ってもらおうと奔走する日々。思いが実を結び、1年目の終わりには19人まで生徒が増えた。6年目の今では243人の生徒が在籍する。地域の子どもの受け皿として重要な役割を担っている。卒業後、立派に巣立った生徒の様子を語る池田さんの表情には、親心を感じさせるような温かさがこもる。
 昨年12月、同校は岡山理科大学と姶良市と「高大官連携に関する協定」を締結。通信制での学習に高等教育のノウハウをプラスしていく見通しだ。個々のペースを大切にする並木学院ならではの学びの形が、さらにステップアップすることが期待される。「同校の無限大の可能性を生徒に還元していきたい」その思いを胸に今日も池田さんは子どもたちの未来に目を向ける。

広報あいら253姶良人2

 相談員とともに、生徒・保護者が気軽に相談できる体制を設けている。

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