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選手と心を通わせゴールをめざす

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音とひとつになる笑顔のダンサーたち。

子どもたちの陽気な会話と笑い声が聞こえるスタジオに、音楽が流れると瞬時に空気が変わる。真剣な眼差しに生き生きとした表情。指先まで意識が行き届いたような美しい所作。優雅な音楽のリズムに合わせ、軽やかな踊りが始まる。本市松原町にあるアイラバレエシアターには市内外から現在、約40人の子どもたちがやってきてバレエのレッスンに打ち込んでいる。
「仲間と舞台をつくる喜びや、音とひとつになる感動を体感してほしい」と話すのはアイラバレエシアター主宰の沼上みさ子さん。平成3年に開校し今年で31年。これまで350人以上の卒業生を送り出してきた。巣立っていった生徒の中には様々なコンクールで好成績を残すほか、海外に拠点を移し活動するダンサーもいる。

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 4歳から熟練度に合わせて4つのクラスに分けられ丁寧にレッスンが施される当スクール。想像力や感性を重視し着実に技術を身につけていくスタイルは、踊る楽しさや表現する喜びと、自らのステップアップを常に実感することができる。「自分も生徒と一緒に向上心を共有できなくては」と沼上さんも毎月のように東京に出向きトップダンサーのレッスンを受ける。「指導者になり忘れかけていたものを思い返すことができるんです」と自身の学びを子どもたちに還元。高いレベルの新たな発見と刺激につなげている。それでも貫くのは基本の積み重ね。バーレッスンや振り付けの反復練習に余念はない。

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 「レッスンは苦しいことの方が多いかもしれないけど、舞台に立つドキドキや快感は何物にも代えられない」と当スクールでは発表会とコンサートを隔年で開催。保護者も心待ちにする一大イベントになっている。ステージを彩る舞台道具や踊りを一層、華やかに見せる衣装などはほとんどが沼上さんの手作り。「みんなで作り上げる舞台にこそバレエの楽しさの神髄がある」と一人では成し得ない経験を最も大切にする。それに応えるように子どもたちはレッスンに励み、全身全霊をもって舞台にあがる。その姿は実に眩しく成長を感じるものだという。
 「よく子どもたちがくれるんです」とありがとうの手紙の数々。表現するために磨く〝感じる心〟はしっかりと育まれている。アイラバレエシアターのスタジオには今日も流れる音楽に乗せ、踊る喜びに笑顔がはじける。

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